1985年に「男女雇用機会均等法」が成立し、その後女性の社会進出に対する取組みが積極的に行われるようになった。だがまだまだ欧米に比べると、日本の女性労働力率は低いと言わざるを得ないだろう。
その原因は最近大問題となった都議会の野次に代表されるように、相変わらず「夫が外で働き、妻は子供を産んで家庭を守る」という伝統的な男女の役割分担が長い間「当たり前のこと」と認知されてきた日本の社会構造や価値観にあることは否めない。
もちろん政府も大企業も、ただ手をこまねいていただけではないことは承知している。本気か見せかけだけなのかは別として、一応保育所の増設、産前産後休暇の充実、女性管理職や女性役員の増員などに手を染めていることも事実である。
ところがそれらを更に充実させ、それに加えて女性の中途雇用などに力を入れたとしても、それだけでは絶対にダメなのだ。何といっても家庭内では一番重要な子育てに、「夫の協力」が得られない妻が多いからである。会社側も子育て中の女性にはそれなりの休暇や時短を与えているものの、その夫に対しては相変わらず過酷な残業や余り意味のない転勤を繰り返している。
日本では欧米のように住み込み家政婦やベビーシッター制度が根付いていないし、今後もなかなか馴染まないだろう。従って祖父母と一緒に住んでいない限り、夫が毎日残業ばかりしている家庭では、子育て負担の全てが妻の細腕に襲いかかってくるのだ。それに加えて家事の大部分もこなさなくてはならないのである。
また例え妻が必死になって、それらを全て乗り越えたとしても、今度は思い付きのように夫に転勤命令が発せられるのだ。そうなれば、妻は会社を辞めて夫について行くのか・・・。または夫の単身赴任を要望し、家族がバラバラになって、更なる負担を覚悟するかの選択を余儀なくされることだろう。
残業についていえば、決算時など通常と異なる業務体制を敷いているときは、ある程度やむを得ないとしても、営業など対外的な業務については、相手の都合に巻き込まれてしまうことが日常茶飯事である。だがいつまでもそれを容認していては、永遠に残業というより居残り制度はなくならないだろう。そろそろ法的にもっと厳しい残業規制を敷き、企業側も担当制オンリーではなく、交代制などの導入による顧客対応などを決断する時期が訪れているのかもしれない。
また転勤の大部分は本人や企業のためではなく、上司の都合や好き嫌いで実施されることが多い。これはある意味公私混同であり、厳密に言えば犯罪に該当するかもしれない。今後は上司の保身と思い付きではなく、長期的な人事ローテーションのための転勤以外は認めない、というような企業モラルの構築が必須ではないだろうか。
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