Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

古酒の誘惑

2007年01月15日 | 日本酒
世田谷は西太子堂駅の前にある酒屋「唐木屋」に行きました。
唐木屋は酒屋なのに中に立ち飲み屋があるという、珍しいお店です。座れるので、本当は「座り飲み」なんですけどね。

今日は仕事上がりに寄って、日本酒を少し飲んで帰ろうと思いました。
飲んだものは、
・達磨正宗 濃熟古酒 10年
・梅の宿 純米吟醸 S57年醸造
・十五代九郎衛門 純米吟醸 3年
ということで、全部古酒。


まず十五代九郎衛門を飲む。
老ね香は感じられず、熟成された旨味と甘い香り。うまい。

次に梅の宿を飲む。
淡い茶褐色の色合いで、香りに酸がある。口に含むと、酸味と旨味が広がるけど、しつこくなく流れていく。うまい・・・!
この梅の宿のS57年ものは、酒蔵にももうなく、唐木屋にあるものもぼくに出したもので最後ということだった。
そう聞かされると、じっくりと味わわずにはいられない。

最後に達磨正宗。茶褐色が濃く、紹興酒のよう。香りは、酸味が強いがよく練れている。
口に含むと、まろやかな甘さがふわっと広がって、ずっと口に含んでいても飽きのこない、本当に熟成された味わい。これもうまい!

ここで、最初に飲んだ「十五代九郎衛門」をまた口に含むと、驚くべきことに、酸味が鼻につく。それはフルーティですらある。
十五代九郎衛門も、3年寝かせたれっきとした古酒なのに、達磨正宗の10年古酒の前では、若さが全面に出てしまうのだ。

梅の宿と達磨正宗は、両方とも非常に美味しい。
まさに、古酒の神髄ここにあり、だ。