「おやすみ、こわい夢を見ないように」角田光代著、読んで見ました。
「おやすみ、こわい夢を見ないように」角田光代著、読んで見ました。前回読んだ「ドラママチ」が去年の7月だったんで久々の角田さんです。
ちょっとした「ホーラー」な小説なんですが、まさに「角田光代」テイスト全開でとっても面白かったです。どの物語の「登場人物」も「エピソード」も結構身近にいそうで、ありそうで、その辺りと著者の鋭い人物描写が全体的になんとも云えない薄気味悪さを上手く醸し出しているように感じました。
ごく普通の暮らしをしている一般の人間の心の奥深くに、普段は忘れ去っている、若しくは、しまっている「グロテスクな何か」を著者の感性が見事に抉り出している作品で、今まで読んだ著者の作品の中でも印象に残るものとなりました。
どのストーリーも水準以上でしたが、特に「このバスはどこへ」「うつくしい娘」「私たちの逃亡」の3編が気に入りました。
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