「お腹召しませ」浅田次郎著、読んでみました。
浅田次郎の江戸、徳川時代の武士の悲哀や心意気を自分自身の回想や体験を交えて綴った作品。
今の基準で考えるとあまりにも理不尽な当時の社会秩序、武士道等に、登場人物が現代の人間と全く同じように悩み、葛藤する様を見事に描いています。
「時代変われど人変わらず」とは良く言ったもの、身分の高低にかかわらず、人それぞれ抱えている問題は現代と酷似している。しかし、些細なことでもすぐ「死」に直結する「武士道の世界」で生きる彼らの生き様は潔いですね。
永く平時が続く「武士道の建前」と「人間の普遍的な本音」の中での数々のエピソードは読む者を惹きつけます。
然しながら、他に多くある浅田次郎の名作と比べると評価は少々辛目になってしまうのは、しょうがない。「時間があれば読んでも良いんじゃないでしょうか」って言う所でしょうか・・・・。
先生、生意気言ってごめんなさい。
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