「ミカドの肖像」猪瀬直樹著、読んでみました。
「ミカドの肖像」猪瀬直樹著、読んでみました。
「猪瀬直樹」が東京都の副知事になるなんてニュースが入ってきて、そう言えば昔「ミカドの肖像」っていうベストセラーが有ったなと思い出し、早速図書館で借りてきました。
フランスのロックバンド「MIKADO」のインタビューから始まり、「東京海上ビル」の高さ規制、「原宿宮廷ホーム」と「お召列車」のエピソードでアンタッチャブルな「ミカドの禁忌」に対する日本の「目に見えない不思議なシステム」の存在を明らかにしています。
「第1部:プリンスホテルの謎」は旧皇族の土地の用意周到な取得によるプリンスホテル建設や、軽井沢の開発等による西武(コクド)の成長の基盤造りが丁寧に書かれている。
今は西武鉄道の上場廃止や一族の不和でゴタゴタとしてかつての栄光が久しいのですが、勢いがあった当時を知る年代の者にとってはまさに「不滅の王国」の様を呈してました。
著者が西武鉄道グループ総裁「堤義明」をインタビューした国土計画本社も、今では売却され開発待ちの更地となっている現実は、あれだけ土地に執着していた「堤康次郎」が生きていたらどんな気持ちになっていただろうか・・・・・・
西武は「電鉄(義明)」も「流通(清二)」も注目のグループだったので色々な情報は耳にしていたのですが、この著作を読んで興味深い事実を多く知ることが出来ました。
「第二部:歌劇ミカドをめぐる旅」ではミシガン州「ミカド町」「ミカドゲーム」「歌劇ミカド」等について、「第三部:心象風景のなかの天皇」では明治天皇の「御真影」等について描かれている。
個人的に第二部、第三部はあまり興味を持てる話題がなく「惰性」で読んでいたが、ヨーロッパ等でポピュラーな将棋崩しの様な「ミカドゲーム」はこの本を読むまで存在を知りませんでしたし、(Wikipediaに日本語のページが無いくらいマイナー)
イギリスのジャポニスムブームの際に創作された「ミカド(オペレッタ)」と言う、上流階級に対する風刺作品があったなんてことも知りませんでした。
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