「博士の愛した数式」小川洋子著、読んで見ました。
「博士の愛した数式」小川洋子著、読んで見ました。
「国家の品格」を読んだときに、著者である「藤原正彦」氏について調べた所、この小説についての記述があり、そう言えば去年「映画化されてたな」なんて思い出し、興味を持ちました。
読んでみた感想なんですが、もの凄く感動する訳でもなく、涙が出てくるような物語ではなかったんですが、とても読後感が良い作品でした。
「小川洋子」さんの作品は初めて読むんですが、簡潔でわかりやすく、テンポも良い好感の持てる文体でした。
家政婦である「私」と息子「ルート」と「博士」の関係はとても健全で温かみがあり、それぞれの事情を察するに、お互い欠けている部分を補完しあっている様に感じました。
どちらかと言うと数学が嫌いなほうで有った自分でも、作品の中に出てくる「数学的記述」は興味が持てとても楽しく感じました。
子供の頃、大嫌いだった「ピーマンや玉葱」が大人になって大好きになったように、もしかしたら「数学」も今なら素直に受け入れられるのかもしれません。
どうして「博士」がそこまで「子供」を可愛がるのかと言う点と、「義姉」と「博士」の関係については結局「???」のままで終わってしまった点は少し残念でしたが、それはそれとして、作品としてはとても素晴らしく読む価値のあるものだと思いました。
今度、映像化された作品をDVDでも借りて観てみようと思いました。