お気に入りの映画スターを取り上げていますが、2人目はキアヌ・リーブス。
西洋白人種がほとんどの米映画界の中で、ミックスされた独特の個性を放つことから、早くに注目していましたが、彼の美しさが存分に生かされたのが「マイ・プライベート・アイダホ」。
上流家庭に生まれながら、親に反発し家出したあげくに、男娼にまで身を落としつつも飄々と世間を泳いでゆく、自由気ままなスコットを演じるのがキアヌ。
男娼仲間で暗い過去を背負うマイク(リヴァー・フェニックス=主人公)に、真剣に想われるにもかかわらず、マイクと二人旅の途中で知り合った女と恋仲になり、そのまま社会復帰してしまう非情さが、スコットという人間を良く表しています。
ロマンチックな純愛ものやヘンな奴にマッチョなヒーローまで、意外と幅広く活躍するキアヌですが、作家性の強いヨーロッパ映画、もしくはより非道な悪漢や屈折しまくった役の方が彼の本質に合っているのでは? ビスコンティのような、男性の美貌を外見だけでなく、内面より引き出し輝かせる監督が今は見当たらないし・・。 はぁ~、せっかくの逸材がもったいない。