風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

ママは強し

2018-04-10 14:40:40 | 家族

 バスの中で。

四人の子を連れたママが乗ってきた。

空席は多く、一番小さい子を抱いたママは後方の席にゆったりと座った。

ほかの三人は運転席のすぐ後ろ、一段高い席に座りたくて、

押しあいへしあいして騒ぐ。

運転手さんが

「危ないですから、座ってくださ~い」と呼びかけるが、

子どもたちはアナウンスなんか、聞いちゃおらん。

「動きますよ~、気をつけてくださ~い」

 子どもたちはひとつの席に2人で掛け、

その膝にもう一人がよりかっている。

「あぶないですよ、後ろが空いてますよ」

 穏和なひとなのだろう、運転手さんは優しく何度も呼びかける。

後方でママは赤子を抱いたままスマホに夢中である。

「動きますよ、気をつけてくださ~い」

親はなにしてるんだ!と風子は切れそうになる。

しかし、バアサンが何をぬかすかと言われそうで、

怖いから、何も言えない。

そこで、また思う。

いまどき、4人も産んで育てるママはこうでないと

やってらんないのかもしれないなあ。

ママは強しなんだなあ。


新聞休刊

2018-04-09 14:21:39 | 時事

今日の朝刊は休みだった。

わかっていたので、昨日の新聞を半分だけ今日読むつもりでとっておいた。

新聞がないと寂しいからである。

 そして今日、「時代ななめ読み」という昨日の西日本新聞の記事を読んだ。

 トランプ氏と金正恩氏、どちらも変わった髪形で共通しているという。

言われてみれば、そのとおりである。

 特殊な髪形にこだわるのは「他人の意見を聞かない」キャラクターが多いというのも

なるほど、そのようである。

 その二人が首脳会談をするという。

うまくいくかどうかは分からない。日本にとって最良の道を探らねばならないが

日本の首相は、「日本は米国と100パーセント共に」などと言っている。

これでいいのか、ゴルフなんかやってる場合ではないのだ。

 というような記事である。

 新聞大好きおばあさんは、暇にまかせて、隅から隅まで読み、

そうだ、そのとおり、と頷いているのである。


寒の戻り

2018-04-08 11:32:39 | 日記

 昨日の福岡は霰が降る寒い一日であった。

ポカポカ陽気だった前日に使用した夏帽をかぶり、

まだ仕舞ってなかった冬用のダウンコートを着て出かけた。

ちぐはぐだなあ、と気が引けたが、薄毛隠しに帽子はかかせない。

バスセンターで並んだら、

わたしと同じような格好の人が何人もいた。

 風子よりうわての、麦わら帽子に綿入れのチャンチャンコを着たおばあさんもいた。

チャンチャンコ……、若いひとには分かるまいが、立派な防寒着である。

 


松本猛 「いわさきちひろ 子どもへの愛に生きて」

2018-04-07 11:04:39 | 読書

           

 親しみのある柔らかい色と線が魅力的な絵本作家として

その名を知ってはいたが、その生い立ちもその後の彼女の背景も

これを読むまで知らなかった。

 無収入の夫、松本善明が弁護士になるまで、

いっさいの家計を筆一本で支え続けた。

 社会派の思想家としてのたくましさと、母としての包容力と、

ちひろの絵の奥にある世界を覗きみたような気がする。

 著者 松本猛はちひろの一人息子である。

    講談社  1800円


親しいひと

2018-04-06 11:44:34 | 友情

 3日にあげず電話をくれる人がいる。

風子も待っている。

電話がかからない日は心配もするし、寂しい。

 その人は、ただいま、旅行中で、昨日今日電話はかからない。

なんだかほっとしている。

 いなくなっては困る、死なれたらもっと困る。

旅行中で電話がかからないのは、一番いい。

 あれ? これってなんだろう。


後悔のかずかず

2018-04-05 10:13:36 | 日記

 振り返れば、後悔はかぎりなくあるけれど、

なかでも、悔やまれるのが子育てである。

 ふたりの息子は今やすっかりオッサンになったが、

それぞれ穏やかに暮らしている。

親としてとくに不満はないが、思うことはいくらもある。

 男性だから、仕方がないとしても、まず無口である。

花をめでる、星を見つめる……という人生を楽しむすべを持たない。

 それが不満なのではない。

もっと楽しく生きられたほうがらくだろうと案ずる親心である。

 

 風子は子供たちを産むころ、体調がすぐれず、

入院していて、ほとんど寝たきりで産んだ。

だから、胎教というものまで気がまわらなかった。

世間と隔絶して病院の天井ばかり見ていたのだから、

胎教どころではなかった。

 すまなかったなあ。

 大きなお腹で野山のスミレを眺め、桜を見上げ、元気な笑い声をあげて走り、

バッハやビートルズや北島三郎や、幅広い音楽を胎児に聴かせ……、

ああ、あれもこれも、しておけばよかったかなあ。

 80歳になるおばあさんは、いまさら悔やんでもせんないことを、

心のなかでしきりに詫びながら、

息子とふたり、食事中なのである

 

 

 


2018-04-04 23:20:46 | 日記

 遠方に住む妹のブンちゃんから電話があった。

お姉ちゃんが死んだら、私、随分寂しいと思うの。

お姉ちゃんが90歳まで生きたとしても。あと10年しかないのよねえ。

思っただけで、涙が出るの。

 

 ブンちゃんも、78歳になる。

どっちが先に逝くか、こればかりはわかんないよね、……と思ったけど、

お姉ちゃんが先に逝くと決めてるみたいだから、言わなかった。


今日もさくら

2018-04-01 09:56:45 | 日記

  今年、この時季にしては、風も雨もなく

 花の時季がつづき、嬉しい。 近くの緑地帯のさくら、朝に夕に眺める。