風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

有機栽培

2011-04-24 11:42:11 | 時事
 風子ばあさんは、無農薬や有機栽培の野菜が好きである。
少々高くつくが、無理しても安心な食品を求める。
それを買って食べることによって生産者を励ますことができると思っている。

 農家との交流もある。
だから農薬を使わないでキャベツを作る難しさを多少は分かっているつもりである。
土壌管理、手作業での虫の除去、etcetc でご苦労続きのはずである。

 福島で有機栽培キャベツを作っていた人が、放射能汚染で出荷規制されて自死された。
丸々と美味しそうに育ったキャベツ畑がテレビに映った。

 ここまで育てるのに、どれだけの辛苦困苦があったことだろう。
大きくなるのをどれだけ楽しみにしていただろう。
何年も何年もかかって研究されたことだろう。

 その何十年の努力が、放射能によって水泡と帰した。
理不尽で立ち向かえない相手に彼はどれだけ虚しく腹立たしく哀しかったことだろう。
これを絶望と言わずして何という。
テレビを見ながら、涙がとまらなかった。

 あとで分かったのだが、このキャベツ畑は実は汚染されていなかったそうである。
いったい誰が、どうやって詫びてくれるというのだ。
風子ばあさんの腹わたが煮えくりかえる。

 原爆でこりごりしているはずの日本人が、原発などに頼ってはいけなかった。
使用済み燃料はどこにでも廃棄できない。
岩盤の奥深くにコンクリートで固めておくしかないそうである。
極めて危険な物質を放出し続けるそれを何万年も、ただ閉じ込めておくしかないというのだから空恐ろしい。

 蝋燭の灯りだけでもいい、家族が一緒に暮らせるなら……どんなに暗くてもいいと男泣きしていた人がいた。

 日の出と共に起き、日が沈めば寝る。
寒ければ身を寄り添わせて寝る。
貧乏人の子沢山とは昔からいうではないか。
少子化対策などと声高に言わないでも、若い男女が日暮れと共に寄り添えば子は増える。

 後出しジャンケンみたいで言いたくないが、原発は反対である。
昨日、原発反対のグループが天神をデモしたそうである。
風子ばあさんも次の機会には、久しぶりにデモに参加しようかと考えている。

 やれやれ、ばあさんは子子孫孫のためにも、おちおち昼寝などしていられないのである。