いつものスーパーへ行ったら、がんばれ日本! の垂れ幕が日の丸つきで、でかでかと掲げてあった。
どこへ行っても、がんばれ日本である。
風子ばあさんたち年寄りは、 がんばれ日本! を見ると、その先に続く 「欲しがりません勝つまでは」 を思い浮かべ、
それは 「国民一丸」 となって 「鬼畜米英」、それを唱えないと 「非国民 」と呼ばれた時代に記憶がつながってしまうのです。
3.11以後、たださえ我が身を叱咤して、よろよろと頑張っているのに、この上、声高に言わないでほしいなあと、
ばあさんは日の丸を前に、つい俯いてしまうのです。
それに、でかでか旗をあげたら、それだけで、何かを成し遂げたように免罪符としているような意地悪い見方もできます。
みんなちがって、みんないい……という詩がありましたよね。
被災地や復興へ寄せる思いも、それぞれがそれぞれに……でいいのではないでしょうか。
非常事態の団結には危うさが含まれていることも、あの戦争の時代を体験したひとりとして肝に銘じておきたいのです。