一人暮らしの友だちがいる。
訪ねればいつでも歓待してくれる。
しかし、行けば長居になるので、訪問には覚悟がいる。
ついついご無沙汰をしてしまうが、
今日は近くまで行ったので、寄り道をしてみた。
案の定、よく来たよく来たと大歓迎をしてくれた。
挨拶もそこそこに、
「どうしてた?」と風子。
「それがねえ、この家を売ろうかと思ってんのよ」
のっけから、話題には事欠かない。
「売ってどうすんのよ」
「娘のとこ、行こうかと思って」
「やめとき、やめとき」
ところでね……、話はコロコロかわる。
「足が痛まない靴を買ったのよ」
「どらどら見せて」
靴の品評のあとは一転、読書の秋。
「本を整理してたらね、田山花袋や藤村が出てきたの、
だけど、読み直したら、あのころなんで感動したんだろうって……ちょっと古いね」
二転三転、話はあっちへこっちへ行き、
気がついたら電気を点けるのも忘れて、辺りは薄暗くなっていた。
神戸の娘のとこなんか、行くなよ。
寂しくなるじゃないか。
訪ねればいつでも歓待してくれる。
しかし、行けば長居になるので、訪問には覚悟がいる。
ついついご無沙汰をしてしまうが、
今日は近くまで行ったので、寄り道をしてみた。
案の定、よく来たよく来たと大歓迎をしてくれた。
挨拶もそこそこに、
「どうしてた?」と風子。
「それがねえ、この家を売ろうかと思ってんのよ」
のっけから、話題には事欠かない。
「売ってどうすんのよ」
「娘のとこ、行こうかと思って」
「やめとき、やめとき」
ところでね……、話はコロコロかわる。
「足が痛まない靴を買ったのよ」
「どらどら見せて」
靴の品評のあとは一転、読書の秋。
「本を整理してたらね、田山花袋や藤村が出てきたの、
だけど、読み直したら、あのころなんで感動したんだろうって……ちょっと古いね」
二転三転、話はあっちへこっちへ行き、
気がついたら電気を点けるのも忘れて、辺りは薄暗くなっていた。
神戸の娘のとこなんか、行くなよ。
寂しくなるじゃないか。
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