明日、気の合う仲間と、
長崎の港の沖合にある軍艦島へ行く。
長崎生まれの作家、吉田修一の短編に
「キャンセルされた街の案内」というのがある。
無職の兄貴が、ワンルームのぼくの部屋に転がり込んできたところからはじまり、
子供のころ、軍艦島生まれと騙ってガイドをしたときのことが語られる。
以下、その「キャンセルされた街の案内」の中からの引用である。あしからず。
「軍艦島は、ぼくたちが住む港の沖合十キロに浮かぶ元炭鉱の島で、最盛期には五千人以上の坑夫やその家族たちが暮らし、世界一の人口密度を誇っていた。地下には直下数百メートルにも達する鉱区、地上には五千人を収容する高層アパートが立体的に組み込まれた、世界でも稀に見る人口の島だった。しかし、昭和四十九年の閉山後は、まったくの無人、廃墟の島と化した。その容貌が軍艦「土佐」に似ているから軍艦島なのだが、端島というのが正式な名称だ。名前からして、石炭が見つかる前は、それほど重要な島ではなかったのだと思う。」
この小説の主人公がガイドをしていたころは、
島への立ち入りは一切立ち入りが禁止されていた。
つまり、彼はヤミガイドをしていたのだ。
今は、一部分らしいが、ツアーのガイドつきで堂々と上陸できるらしい。
明日は、天気晴朗のようである。
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