風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

誤算

2010-08-10 22:39:19 | ギター、映画など他
子育てからようやく手が離れたとき、ふっと、老後のことを考えた。

晩年の父は、ほとんど目が見えない状態だったから、強度近視の自分も多分そうなるだろうと思った。
読書も出来なくなった父は、ときどき思いだしたように、ブ~カブ~カとハーモニカを吹いていた。
 音楽なら、目が見えないでも、楽しめるかもしれない。
 
それで風子ばあさんは、中年になってから、ギターをはじめた。
 父の齢に近づいて、やっぱり視力が極端に衰えた。
 このときになってはじめて、目が見えなければ楽譜が読めず、ギターを弾くにも不自由であることに気がついた。誤算である。

もうひとつ誤算があった。老後ひとりで爪弾くのに良いと思って始めたが、実際に齢をとってみると、そうではなかった。
ギターを弾く姿勢は、とても腰に負担がかかり、老人にはなかなかしんどいのであった。
 なってみないとわからないものである。

 楽譜を拡大コピーして、目をしょぼつかせ、腰をさすりながら、それでもまだやめないのは、老後の暇つぶしではなく、ひとり爪弾くためでもなく、仲間と一緒の合奏がこの上なく楽しいからなのである。これは思いがけずに嬉しい誤算であった。



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1 コメント

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誤算もいろいろ (nampoo)
2010-08-10 23:00:16
いろいろ不具合があっても辞めたくない楽しさ、何よりですね。

やらないものにはわかりませんが、
ギターって腰に負担がかかるものなんですね。
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