先週の体操教室の帰り、
スパッツの上に穿いていったズボンを穿き忘れて帰った。
すぐに気がついたけど、
まさかズボンを盗るひともおるまい、来週でいいやと
のんきに構えていた。
一週間経った今日、置き忘れたはずの場所にないので
棚の上、控室、きょろきょろしてたら、
どうかしたの? とみんなが訊ねてくれた。
かくかくしかじか、と言うと、
みんなで手分けして探してくれた。
けっきょく出てこなかった。
ま、古いもんだし、まあ、いいや、と帰りぎわになって、
Nさんが、あら、思い出した、わたしが持って帰ったかもしれない、という。
彼女もスパッツの上からズボンをはいてきて、帰りにまた穿いたのだが、
風子の置き忘れたズボンを見て、おなじグレーだったので、
自分のものと勘違いをして持ち帰ったらしい。
すぐに取りに帰ってくれたが、
穿き忘れて帰った風子も風子だが、穿いているのに、もう一枚持って帰ったNさんも、
どっちもどっちねえ、と大笑いした。
そして、ねえ、笑ってる場合じゃないと思わない? と
どちらも80才のふたりは顔を見合わせてまた笑った。
笑ってる場合じゃないんだけど。