風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

笑ってる場合じゃないけれど

2018-03-26 21:07:03 | 日記

 先週の体操教室の帰り、

スパッツの上に穿いていったズボンを穿き忘れて帰った。

すぐに気がついたけど、

まさかズボンを盗るひともおるまい、来週でいいやと

のんきに構えていた。

 一週間経った今日、置き忘れたはずの場所にないので

棚の上、控室、きょろきょろしてたら、

どうかしたの? とみんなが訊ねてくれた。

 かくかくしかじか、と言うと、

みんなで手分けして探してくれた。

けっきょく出てこなかった。

ま、古いもんだし、まあ、いいや、と帰りぎわになって、

Nさんが、あら、思い出した、わたしが持って帰ったかもしれない、という。

彼女もスパッツの上からズボンをはいてきて、帰りにまた穿いたのだが、

風子の置き忘れたズボンを見て、おなじグレーだったので、

自分のものと勘違いをして持ち帰ったらしい。

 すぐに取りに帰ってくれたが、

穿き忘れて帰った風子も風子だが、穿いているのに、もう一枚持って帰ったNさんも、

どっちもどっちねえ、と大笑いした。

 そして、ねえ、笑ってる場合じゃないと思わない? と

どちらも80才のふたりは顔を見合わせてまた笑った。

 笑ってる場合じゃないんだけど。


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