風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

失礼しました

2012-04-11 16:20:00 | 日記
         メル友じいさんのパソコン作業を手伝ったら、
      風子さんは甘いものが好きなようだからと、饅頭を送ってくれた。

            お礼を言うべく電話をしたら、
        車の運転中だから、30分後にかけてくれ、とのこと。
 
        ははん、外出中だったかと、30分後、今度は自宅に電話をかけた。
  
          「はい、××でございます」
        思いがけずに若々しく艶のある奥さんの声が出た。

          奥さんは仕事を持っていて昼間は家にいることはなく、
            これまで電話に出たことはなかった。
   
          爺さんと風子は、べつに怪しい関係なんぞではない。
               名乗ればよかったのだ。
      しかし、爺さんがいつも、鬼女房、鬼女房とメールに書いてくるので、
               つい、うろたえた。

      「あ、間違えました、またかけます、失礼します」と言ってしまった。 
      「いいえ、こちらこそ失礼します……」

         とても鬼女房には聞こえぬ声が優しく答えてくれた。

        悪かったなあ、年甲斐もなく、馬鹿なことをしたものである。
         とっさのこととはいえ「間違えました」と言いながら、
         「またかけます」……では辻褄も合わない。

       今どきのことだから、ディスプレイにこちらの名前が出たかもしれない。
           奥さん、不愉快だったろうなあ。

       すぐに爺さんの携帯に電話をして、奥さんに謝っといて下さいと言った。
               爺さん、アハアハアハと笑っていた。

             お互い年寄りだからかまわないようなものだが、
             若いときならもう少しヤバかったかもしれない。
コメント (2)
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