風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

小泉八雲熊本旧居

2011-11-04 15:09:25 | 旅行
     熊本市のど真ん中、ツルヤデパートのすぐ後ろに、
    指定文化財の小泉八雲の旧居がひっそりとある。

     受付に座るお爺さんは、なかなかの品格を漂わせた紳士である。
    その彼が、失礼ですが……と風子ばあさんに微笑んだ。

    「どちらからお出でになられましたか?」
    入場料を払うのに、どこから来たかと問われることは珍しい。
    「はい、福岡からですが」 
    「女性に年齢を伺うのは、まことに恐縮ですが、
    よろしかったらお訊ねしてよろしいでしょうか」

    実に丁寧、かつ優しげ、旧知に話すような対応に、なにごとならんと
    「ええ、かまいませんとも。73歳です」と答えると
    「では、入場料の200円はいりません」という。

    熊本、福岡、もうひとつどこかの三県の取り決めで、
   高齢者は無料なんだそうである。

    上品なお爺さんにつられて、こちらも、
   それでは……と深ぶかと頭をさげて、無料で見学させていただくことに相成った。

    八雲が無料で漱石が200円ということはないだろうから、
   その前に行った漱石旧居も同じ特典があったのかもしれない。
   
    しかしなあ、どちらも、つまりは税金で維持管理されているのである。
   ごく個人的感想からいえば、遊びに行った先で
   200円くらい無料にされないでもいいような気がするけどなあ。

    むしろ、この財政難な時代、いくらか値上げをしてもいいような気がする。
   少々値上げをされても行く人は行く、行かない人はタダでも行かないと思うがどうだろう。