行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする25年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

放免されたある外国人(シリーズ第3回)

2007-06-01 22:16:18 | 行政書士のお仕事

 昨日は、品川の東京入管から、横浜中華街近くにある東京入管横浜支局へ回りました。着いた時刻は、12時40分頃だったでしょうか。1階の一番左側のエレベーターから目立たぬ様にして、手錠と腰紐で繋がれた外国人(おそらく、在留期間の過ぎた超過滞在者なのでしょうか?)が警察官2人に連れられて乗り込んで行くのを目撃しました。

 丁度、2年前のある事件を思い出しました。その外国人もやはり、同じ時刻にOO警察から移送されて来たのでした。私は、その前日にも、その外国人の配偶者と共にここに来ていたのですが・・・。

 1時頃、私が到着して「彼はどうしましたか?」とご家族に聞くと、もう8階に連れていかれたとの事でしたので、配偶者の方を伴って8階の収容施設のある警備部門へ向かいました。しばらくすると、別のクライアントの件でも担当している警備官であることが分かりました。「仮放免の申請をしようと思うのですが・・・」と話しかけましたら、「特例中の特例ですが、この件は今日許可を出します。」と言われたのでした。

 通常、在留特別許可は、このような収容案件でも1ヶ月はかかりますし、在宅案件ですと3ヶ月~6ヶ月はかかるものなのですが・・・。警察から移送されてから、僅か2時間で許可、つまり、放免(釈放)されるとは、本当に正直言って驚きました。おそらく、昨日中に既に内部で出ていた結論だったのでしょう。

 黙秘を続けていた本人も「オレ、嘘言ったんだけど・・・」と言って、手錠を外され、放免された事態に只々ポカ~ンとしていました。

 このような結果に持って行くには、実は裏では長く苦しい準備があったのです。それがあったらからこそ、入管も特例的な措置を取ってくれたのです。この辺りの詳細な事情は、個人情報にも係わってきますので、ここでは省略させて下さい

 そして、2時間後、エレベーターから降りてご家族が居る1階ロビーに、何の予告もなく彼を連れて行きました。ほぼ、1ヶ月ぶりの自由の身ですから、ご家族も本人も全員が抱き合って涙涙のご対面でした。そして、ご家族全員から涙涙で感謝の言葉を貰った時には、私も思わず・・・でした。そんな2年前の事件を思い出して、最近はこういった案件が減って本当に良かった!と、つくづく思いつつ、5階の通常申請窓口に向かったのでした。

コメント (5)
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