日行連の正副会長会議議事録で、大変気になる内容を見つけた!
どうも日本行政書士会連合会の幹部及び申請取次委員会は、かつて虚偽・不正申請に関与した行政書士の申請取次者としての届出を受理するように動いているようである。
「nichihgyouren_seifukukaichoukai_gijirokuh2207.pdf」をダウンロード
それも、特別の研修や誓約を義務付ける程度で許してしまうようなのだ。
そんな程度で法務省入管当局は納得するのだろうか?
逆に、この程度で虚偽申請者を簡単に復権させてしまえば、それこそ行政書士会の自浄能力を問題視する法務官僚達に、近い将来の入管法施行規則改正で、とんでもない改正(つまり、行政書士だけが不利益な扱いを受けるような改正)の口実を与えはしないかと心底危惧するのである。
退去強制された外国人は、日本人の配偶者等の身分系在留資格該当者であっても、原則5年間又は10年間の再上陸が出来ないばかりか、刑事事件で訴追され懲役1年以上の判決を受けた者等であれば、原則として永久に入国拒否対象者となることは入管業務を扱う行政書士ならば誰でも知っている常識的なルールだ。
まして、就労系在留資格で滞在していた退去強制された外国人達は、永久に就労資格を取得することが叶わないどころか、本邦への入国の道さえもほぼ完全に閉ざされてしまうのである!
入管局のこの基準から考えれば、虚偽申請を行った行政書士の場合、就労資格系外国人に対する処分基準から考えれば、虚偽・不正申請者で処分を受けた行政書士の申請取次再届出受理のガイドラインは余りにも甘過ぎると言われないだろうか?仮にもし、そのように指摘された場合、一体どのように回答するつもりなのであろうか?言い訳やその場限りの”誤魔化し”で無い、衆目の皆が納得するような真摯な弁明が本当にできるのであろうか。
ある、ベテランに言わせれば、『訴訟になったら行政書士会は負けるから・・・』なんだそうである。私は、行政書士としての品位の欠落を盾に、簡単に再届出受理を認めることができない旨を法廷で堂々と述べて頂きたいと思うのである。行政書士会がこのような倫理基準(現時点で、それが有るか、無いかは別問題!)を法廷で主張した場合、私は決して負けるとは思わないのだが・・・。
とはいえ、仮にその訴訟に負たとしても、それはそれでやむを得ない話であると思うのである。それは、司法による判断結果である以上、法務官僚側も当然その結果を認めるであろうから、寧ろ、すべての者がこの問題での白黒をハッキリさせることが出来るからだ。
しかし、行政書士会側が、法令遵守精神の堅持と街の法律家としての品位維持の観点から毅然と闘う姿勢も示さず、ましてや、虚偽・不正申請者の復活をサポートしているかのような印象を与えかねない現在の対応ぶりを見ると、違和感どころか疑問さえ感じるのである。
訴訟が怖いと言うのならば、もしその結果として、現行の施行規則に比して、行政書士の権益を明らかに損ねるような改正となった場合、日行連役員全員に対して全国の会員達からの莫大なる損害賠償請求訴訟が起こる可能性もあるのである。そんなリスクさえも覚悟しての判断なのであろうか?
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現行の行政書士法では、不法入国や不法就労に関与する虚偽・不正申請に積極的に関与したとしても、既存登録者である自分達には通常数ヶ月か1年程度の業務停止しか課せない(実際は、都道府県知事が行う行政処分らしいので、課せないという事にしておきましょう!)そうである。
しかし、弁護士会の例で言えば、未だに復権できていない、元日弁連会長の中坊公平氏のことを考えると、行政書士会の甘さにはやはり大きな違和感を感じる方々が多いと思う。
それこそ、外国人達から言わせたら、「行政書士さん、とってもずる~いネ!」 とでも言われそうだ!
本来ならば、第三者(例えば公証人とか、或いは現行の適正化委員会の機能を強化して貰っても構わないと思う!)を含めた懲戒委員会の設置によって独立性を高めて、違法・不正・脱法行為を犯した行政書士や、業務を受託しても金だけ取って放置したような素行不良や品位が欠落した行政書士の業務停止や禁止、或いは、退会処分などの拘束力のある懲戒処分の決定が速やかに出来る組織を立ち上げて、実効性のある自浄組織を即刻設置すべきだと私は思うのだが・・・。
ある任意団体では、ほんの数年前に虚偽申請で逮捕され、業務停止処分とされた東京都行政書士会会長候補にもなった元支部長であった某氏を、たとえもう処分期間が済んだとしても、いとも簡単にその者を講師に招き、某先生による入管業務研修会などと公然と何度も行っているのだ。
そして、この某氏は処分を受けた直後から、今現在でも頻繁に入管に出入りしており、申請取次制度外の手続である在留特別許可に関わる手続やら仮放免申請を多数手がけており、更には、本人申請にも同行して通常の申請フロアー徘徊しているなどは既に有名な話であり、厚顔無恥と言われても仕方が無い振る舞いぶりなのである。
こんな虚偽・不正事件関与者にいとも簡単に、申請取次行政書士として簡単に復権させようとする日行連幹部の動きには、一会員として正直驚かされる。
もし、これが原因で、行政書士に対して何らかの不利益となるような制度改正でも行われたならば、全国津々浦々の会員が被る不利益を一体誰が補償するつもりなのだろうか?
開業したばかりの若い会員達が見たら、「な~んだ、捕まっても、少し辛抱したり、不便するだけで、簡単に復権できるじゃねぇか!」などと勘違いされかねないのである。
実際に、そう勘違いしているのでないかと疑ってしまう程、ここ数年の同業による不祥事や事件が多発しているのである。
「行政書士会という組織は、自戒することに消極的で、自浄能力担保の重要性という認識に欠落したグループが一定の勢力を持っているのですね!」と、もし他士業の方々や入管職員に嫌みを言われた場合、恥ずかしい話ではあるが、それに反論できる言葉が今のところまったく浮かばないのである。