「祖父の戸籍を取って欲しい」そんな依頼が舞い込むことがあります。家系図作りではありません。さりとて、相続確定手続でもありません。さて、何の為でしょうか?
答えは、「日系人の呼び寄せ」の為なのです。”なあ~んだ!また、日系人か!”と、嘆かないで下さい。これが結構面白い仕事なんです。最近は、もうほとんどありませんが、90年代は盛んに行われたようです。
さて、こんな依頼をされたら、皆さんだったらどうされますか?分かるのは、アルファベットによる氏名と生年月日、出身県、それと移民した年くらいしか分かりません。フルネームの漢字や、勿論、正確な本籍、住所さえも分かりません。当時のパスポートの写しもありません。 ん~!と言って直ぐに答えられたら、もう立派なプロですよ。本当に!
ちなみに、当時のパスポートですが、例えば次のように書かれてあります;
右ハ、呼寄に依リ秘露国ヘ(以下余白)、赴クニ付通路故障ナク旅行セシメタル且必要ナル保護扶助ヲ興ヘラレム事ヲ其ノ筋諸官ニ希望ス
昭和九年十一月五日
日本帝国外務大臣 従三位勲一等 廣田 弘毅
あの、文官として唯一A級戦犯で処刑された元総理大臣でもあった廣田弘毅が出てくるあたり、歴史を感じます。確か、大隈重信なんて書いてあったのもありました。
今の日本国パスポートには書かれてありませんが、昔の旅券には、本籍地、戸主との続柄、職業、身長、特徴などが書かれてありました。国によっては、今でもパスポートにこれらの事項や、はたまた両親の名前までが記載されている旅券などもあります。日本国旅券は住所とか連絡先とかを記載する場所はありますが、自分で書きますから、実際書いている人は少ないみたいですね。
さて、こういった本籍地が書かれた旅券の写しがあれば、行政書士であれば除籍謄本又は、戸籍謄本、或いは、改製原戸籍を簡単に職務請求で取得できます。ん~???何やら分からない専門用語が出て来ましたか?それでは、以下のサイトで戸籍についてのお勉強をしてからに致しましょう!
http://www004.upp.so-net.ne.jp/hitosen/index.html
長くなりそうですので、次回に続くという事で・・・。最近長いブログばっかりでウザイ! そんなことおっしゃらないで、どうかどうかご辛抱をm(_ _)m。