行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする24年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

公正証書って?(シリーズ第6回)

2007-07-30 14:55:40 | 行政書士のお仕事

 その昔、「公証役場ってなんという役場は、この銀座にはありません」と、銀座公証役場に行こうとして、道を尋ねた警察官に言われたという笑い話しを公証人の方に聞いたことがあります。それ程、公証役場、或いは、公証人なる公務員に縁のある一般の方は少ないようです。

 ところが、我々行政書士にとっては、かなり頻繁に行く所でもあるのです。例えば、株式会社設立に伴う定款の作成は行政書士の仕事ですが、この定款に認証といって、お墨付きの証明書を添付して貰う必要があります。また、遺言公正証書の作成やら外国政府に提出するような翻訳文の宣誓認証などを行ってくれる所も、この公証役場であり、公証人という法務局に所属する独立開業型の公務員の方々なのです。

 えっ?公証人って独立開業しているの?と、思う方々が多いと思うのですが、法務局に所属する公務員でありながら、お給料が無いからなのです。だから、公証人の先生方は、それぞれ確定申告をされている、自営業の方々でもあるのです。

 また、公証人の先生方の前職は、主に元検察官か、元裁判官であった方々ですから、弁護士としてではなく、引き続き公職としての公証人という、検察官、裁判官と同じような厳格に中立かつ公正な立場の職務を行える方々でもあるのです。そんな関係から、早めに検事や裁判官を退官されたとしても、皆さん年配の方が多いようです。

 さて、会社定款や遺言の他にも、離婚による慰謝料・養育費支払に関する公正証書や昨今は、私の専門外ですが、年金分割に関わる公正証書作成、或いは尊厳死宣言公正証書なども急増しているようです。そして、私の場合、金銭消費貸借契約公正証書や債務弁済契約公正証書の当事者の代理人として、公証役場に行くことが時々あります。

 金銭消費貸借契約書とは、簡単にいえば「お金の借用書」、債務弁済契約書は、「借金返済の確認書」の事です。な~んだと、思うかもしれませんが、これが普通の借用書や確認書なんかとは雲泥の差がある書面なのです。通常、これらの公正証書には、「乙(借り手)は、本証書に記載した金銭債務弁済を履行しないときは、直ちに強制執行を受けても異議がない」といった条項を付け加えます。

 実は、この「強制執行認諾条項」が付いている公正証書であることが、単なる借用書や債務返済確認書と全く違うパワーがあるのです。単なる、借用書や債務返済確認書である場合には、裁判で判決を得たり、和解、調停による調書を裁判所で作成して貰うか、或いは簡易裁判所の仮執行宣言付支払督促などによって、はじめて強制執行ができるのです。

 ところが、裁判している間に、相手方がドロンしてしまったり、或いは、他の優先的債権者によって、先に差し押さえられてしまっていたりとかで、結局何も得られないことも実は多々あるのです。実際、裁判で勝訴しても、相手方に支払能力がなく、何も得られなかったなんて、泣くに泣けない話しはよくあるのです。

 ですから、お金を貸す場合ですが、「貸した時点で半分は諦めなさい」と、親族や友人にはよく云います。しかし、相談者には、そうは云えませんから、最も焦げ付く可能性の少ない、この強制執行認諾条項付の公正証書の作成をお勧めしています。

 これを作っておけば、相手方が約束を守らなかった場合で、相手がまだ勤務していたり、或いは、預貯金がある場合には、裁判をすること無しに、素早く、相手方の勤務先の給与の一部や預貯金を公証人経由で差し押さえて貰うようお願いすることができますので、旨く行けば全額回収できるか、被害を最少限に抑えられる可能性があります。

 この公正証書作成ですが、貸し手や借り手に代わって、我々行政書士(どちらか、一方のみでも可能)が代理人となって、作成して貰うことができますから、お金を借りる側は、「時間が無いから」とか、「面倒だから」と云ったような言い訳が決して出来ない書類作成手続なのです。

 通常の金銭消費貸借契約書などに、強制執行認諾条項を足すだけですから、我々行政書士が頂ける報酬は、せいぜい数万円程度と、実費である公証人手数料(債権金額によりますが、500~1000万円の額で1万7千円+紙代程度)しか頂けません。しかし、当事者の一人を代理したり、或いは、外国語による説明サービスを含めれば、それなりの報酬を頂ける場合もあります。

 まあ、お金を貸す方が、どのようなスタンスでお貸しになるかにもよりますが、「確実に返すから、200万円何とか都合してくれ!」なんて頼まれちゃって、とても不安ではあるが、貸さない訳には行かない、と云うような場合には、やはり、この公正証書を保険代わりに作っておくことを、私はお勧めしています。「転ばぬ先の公正証書!」な~んて、私は云ってはいますが・・・。

 

 

 

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アナタの脳の中は?

2007-07-27 10:04:35 | その他

 ”自分の名前を入力するだけで、脳の中がイラストで現れる、面白いサイトがあるらしい” そんな話しをカミさんに聞いて、検索してみたところ、以下のサイトが出てきました!

 http://blogs.yahoo.co.jp/doraemon091212/48514067.html

 まあ、当たっているとも、外れているとも、どちらとも言えるような内容でした。”私の脳の中身が知りたい!” ですか? まあ、内緒ってことで<(_ _)>。

 週末、このサイトで、ちょっと遊んでみては如何でしょうか(^_^)v!

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モロッコ国王の第?夫人は日本人?

2007-07-21 18:34:11 | 海外事情

 11年前の1996年の今頃でしょうか、スペインのアルヘシーラスという、ジブラルタル海峡先端の町に駐在していました。ジブラルタルについては、5月23日の記事「飛行場の滑走路に信号と踏切が??」で紹介してありますので参考にして下さい。

 スペインの夏は日没時間が夜9時頃なので、南部アンダルシアの昼食は午後2時~5時頃、また午後5時から8時頃には再び仕事をしている会社も多々あります。夕食は、夜11時頃からという、日本ではとても考えられないタイムスケジュールなのです。

 この時の私は、現地での業務を担当していませんでしたので、のんびりとした駐在生活でした。朝6時には、現場へスペイン人スタッフと1時間ほどかけて行くのですが、午後2時か遅くとも3時頃には、もう帰宅できたような生活でした。夕方7時頃から現地のスタッフと事務的な打ち合わせをすることが時々ある程度でしたので、夕方8時頃からはときどき町に買い物がてら、家内とお茶をしに行っていました。

 そんな、町中にあるカフェテリアで家内とコーヒーを飲んでいたとき、日本人のご婦人らしきお方が通りすがりに、我々を珍しそうにご覧になっているので、「こんにちわ」と私からご挨拶いたしました。

 「あら!やっぱり、日本人なのね!」と驚かれていました。

 このアルへシーラスの町は、モロッコ行きのフェリーが就航していることから、日本人のバックパッカーは時々見掛けるのですが、ふつうは日本人といえば我々の事業の関係者しかまず見掛けることが無い町だったからです。

 「失礼ですけど、ご旅行?」

 「いいえ、短期間ですけれど、駐在として赴任しているのですが・・・」

 「私、Kといいましてね、ご存じがどうか知りませんが、物書きをしてますの。サン・ロケって、ご存じかしら?そちらに、今滞在しているのですよ。」

 「あ~、知っています。あのゴルフ場の中に別荘があるところですか?」

 「そうそう、その中の別荘の一つを所有していて、時々来るのよ。ところであなたたちは?」

 私が、マグロ畜養事業をしている会社に勤めていることなどをお話しましたところ、Kさんは大変興味を示されて、

 「よかっったら、お休みの日に遊びにいらっしゃいよ。是非、お話しを聞かせて頂きたいから」と、お誘いを受けたのでした。

 翌週、早速お電話にて、再度お誘いをうけましたので、家内と共に週末お邪魔することにいたしました。

 ゴルフ場のクラブハウスで出迎えて頂きランチをご馳走になった後、暖炉がある素晴らしい別荘にお邪魔しました。お隣りは、英国貴族の方が所有の更に大きな別荘で、冬になると召使いまで連れて、避暑ならぬ、避寒に訪れるそうです。

 また、近くのジブラルタルから英国への直行便があるせいで、英国人はジラルタルのカジノやこのゴルフ場にも来るのだそうです。大きな窓の一つにはからは?番ホールのフェアウェイが借景となっていて、ふと見たら、ショーン・コネリーがクラブを構えていたなんて嘘のような楽しみのある素晴らしい別荘でした。

 実は、Kさんは、「スペイン子連れ留学」の著者で、当時、上智大学の講師もされており、更には、1000万円もするような豪華世界一周クルーズの船内臨時講師もされていらっしゃったようです。また、ご主人は著名な古美術評論家?のようでした。

 楽しいお話しも尽きないので、そろそろと思って近くにあった大きな灰皿を見てびっくりしたのですが、アンモナイトの大きな化石が入った灰皿でした。

 「これって、博物館に保存するようなシロモノですよね!」と、驚いている私に

 「それはね、モロッコにいる友人からの”おみやげ”なのよ。その方、モロッコ国王のお気に入りでね。」

 「えっ!その方って、日本人女性なんですか?」

 「そうなのよ。・・・ちゃんはマッサージ師でね。国王の大のお気に入りで、宮殿に住んでいるのよ。」

 「さすが、作家だけあって、ネタには困らないですね」

 「あははは・・・、私はOさん(直木賞作家のOGさん)と違って、嘘は書かないから、・・・ちゃんの事は書かないのよ。今、ある闘牛士の件で、取材してそれを書こうと思っているところなのよ。マグロの話しも面白そうだから、それを書こうかしら。」などと、逆にからかわれてしまいました。

 やはり、その場では聞きづらかったのですが、この・・・ちゃん、やはりモロッコ国王の第?夫人だったんでしょうか?或いは、単なる・・・だったのでしょうか?

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日本人はXXX好き?

2007-07-17 17:43:37 | デジタル・インターネット

 「世界全体の37%のXXXが日本語で書かれており、英語で書かれたXXXの36%を抜き世界のトップに躍り出た!」

 このXXXの箇所、お分かりになりますか?

 なんと、ブログだそうです。米国テクノラティ社が発表した調査結果だそうです。全世界の英語の母国語人口は3.5億人はいるらしいので、1億3千万人の日本語人口からすると、英語を母国語、或いは母国語並に話す人々の3倍近い数の日本人がブログを書いている計算になります。かなり凄い数字です。

 「中村さんがブログをしているのも分かるわ!」と、7月13日付の「日経産業新聞」の「眼光」なるコラム欄に出ているよ!と、隣のオジサンに教えられました。

 公開日記のように日常を書いている方、自分の考えに対する意見を求めている方、人脈を築いている方、情報サイトとして活用している方、営業ツールとして使っている方、ウケを狙ったエンタテイメントタイプ指向の方等々、本当に色々なタイプの個性的なブログがあります。

 私はというと、実は、昨年5月にポリープを切除した時、癌と疑われまして、それ以来、自分自身の生き様を、多少なりとも残しておきたくなりました。日記を書くのも面倒だし、本にする程の内容でも無いですし、勿論文章力なんてさっぱり無いわけですから、どうしようかなぁ・・・と考えていて、行き着いたところが、落書きとしてのブログでした。

 それにしても、日本語のトップ座はいつまで続くのでしょうか?中国語がトップになるのは時間の問題のような気がします。5年後?10年後?或いは、3年後?いつの事になるのでしょうか?

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数字に弱い行政書士にはご用心を?(シリーズ第6回)

2007-07-12 12:33:35 | 行政書士のお仕事

 仕事がら、クライアントの決算書、事業計画書を精査する機会が多いのです。えっ?行政書士が、決算書や事業計画書を精査?と思った方! おそらく行政書士に仕事をご依頼されたことのない方であろうと思います。

 例えば、ある企業が外国人のシステム・エンジニアと契約して、日本に来て貰いたいとの相談を受けた場合、その企業の貸借対照表、損益計算書は必ず見せて頂きます。特に、決算書のうち、売上と人件費の項目については、まずチェックします。それは、その企業に外国人エンジニアを雇用できるだけの売上があるのか、その売上は一過性のものでないのか、そして、その企業に人件費の余裕はあるのか、等々・・・です。設立したばかりの会社で、決算を迎える前であれば、担当税理士さんに、直近数ヶ月分の月次試算表を出して頂くこともあります。

 また、エスニック料理のコックをしていた外国人の方が、独立して自分の店を持ちたいというようなとき、事業計画書の作成をお手伝いします。例えば、開業費や宣伝費を検討して貰います。次に、基本メニュー構成から、1ヶ月の売上の中身の詳細を予測して貰い、それに伴う材料費や店舗賃料・アルバイト人件費・広告費などの諸経費を計算・作成して貰います。そして、最低でも、1年分の売上、諸経費の見通しを立てて貰います。それで出来上がった事業計画書を、投資経営という在留資格の変更申請の添付資料として入国管理局に提出します。

 事業計画書とは、その投資事業の設計図です。確かに、ビジネスはセンスですから、事業計画が立派であるからといって必ずしも成功する訳ではありません。しかし、綿密な計画があるということは、事業として、売上、諸経費等にそれなりの根拠を積み上げて検討している訳ですから、その綿密な計画の下で始めた事業は、失敗するケースが少ないのは当然です。だから、事業の安定性、継続性がこの計画書で疎明できるのです。場合によっては、この事業計画書で公的資金の融資を受けることも可能な場合があります。

 一般的な許認可のほとんどは、申請企業の財務内容に対して、色々な規制や基準が設けられています。例えば、旅行会社などは、一般の旅行者からツアー代金を先に預かるわけですから、経営上危ない企業に、行政庁である国土交通省や都道府県は、こういった旅行業者に登録をさせることはできないのです。仮に、登録業者による被害が多発すれば、行政庁は、無作為の場合を含めて損害賠償請求されかねないので、それなりの財務・経営基準を設けています。

 ある、旅行会社さんの場合、更新の相談に見えられ、決算書を拝見したところ、前年の赤字で、基準資産(計算式があります)が割り込んでいる為に、増資しないとクリアーできない旨をアドバイスし、即刻増資して頂いたケースもあります。

 確かに、法律に基づく事実証明書等(遺産分割協議書、契約書、同意書、議事録など)の文書を作成する場合には、経営・会計知識が必要ないこともありましょう。しかし、企業買収に関わる契約書の作成には資産、負債に関する事前の取り決めは最も重要なポイントであるはずです。また、企業経営者の相続確定の際に、その会社に資産が多いのか、或いは、負債が多いのかによって、相続すべきなのか、或いは、相続を放棄すべきかのアドバイスは異なってくることになります。

 もし、「わたくし、数字が苦手なもんで・・・」と云う、ご同業がいたら、皆さん要注意ですぞ!

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