家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

いつのまにか出来上がるローコストな「部屋」の価値

2006年07月07日 | 我が家のスペシャルな仕様
我が家には屋根のない部屋が2つある。

ひとつは以前、建築中に紹介した2階のデッキテラス。一方を外壁、三方をすのこ状の壁で囲ってあるが、屋根はない。

もう一つは庭。デッキテラスと違って、屋根のない部屋と意識したのは竣工したあとだった。
我が家は平面図でみるとコの字型で中庭がある。四角い庭なので、「部屋ともいえるなあ」と思ったのだった。こちらは屋根どころか床すらないが、縁側がリビングとのつなぎ役となっていて立派に家の一部である。

コの字型やロの字型の家は、実は部屋をもう一つ作っていると考えることができるのではないだろうか。
その「部屋」からみると外壁が内壁だったりして面白い空間である。

屋根のない部屋は真の「吹き抜け」で雨風も防げず、気密も断熱も防音性能もないので当然用途が限られる。しかし壁があって、プライベートな空間であることを考えると部屋としての機能を有しているということになる。
便利な部屋ではないものの、天気がよければ屋根のある部屋では得られない快適さを享受できる。
外の方が気持ちいい季節や時間というのはある。そこでずっと過ごすには不向きだが、時間を限ればとても「いい空間」になるのである。
自分の空間で季節を思い切り感じることができるというプライスレスな価値はあなどれない。
ハードとしての家屋の性能も重要だが、そればかりを気にして、そういう視点を忘れないようにしたいものだと思う。

家をローコストで仕上げる方策の一つとして、「できるだけ四角形に」というのがあるが、コの字型やロの字型で工事費がかからない部屋がいつのまにか一つできあがると考えると、それはそれで「お得感」があるのではないだろうか。
中庭を施工床面積に入れて坪単価を計算してみたっていいかもしれない(※)。壁は屋根のある部屋と「共有」しているわけだし。



(※)ただし、設計者、施工者はそんなことを示唆してはいけない。ごまかしに聞こえてしまうから。あくまで(私のようなおめでたい)施主が自己満足するための数字だろう。

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