家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

あなたは楳図かずお邸の存在が許せるか

2007年08月02日 | 家について思ったことなど
奇抜すぎる建物が近隣に出来る → 地域の景観が損なわれるので反対
もし私の家の近所に趣味の悪い金色のラブホテルとか、わけのわからないデザインの宗教施設なんて建てられたならば嘆き悲しむことになるので、その心情はよく分かる。
奇抜さも程度問題という議論もあるだろうし、そもそも守るほどの景観をかもし出している地域か否かという視点もあるだろうが、こうした問題は「どこかに建ててもいいが、場所柄はちゃんとわきまえよ」というあたりが一般論的な落ち着きどころと考える。

ただこういった(↓)の場合、

外壁は赤白の横じま「奇っ怪」楳図かずお邸工事待った!
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200708/sha2007080207.html
赤白塗装、巨大『まことちゃん』 楳図さん宅『景観壊す』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007080202037921.html

単に奇抜な建物が出来るという以外に考慮してみたい要素が付随している。その要素をちょっと客観的に考えてみる。

まず施主が著名人であること。
例えば、社会的に高評価を受けているアーティストが隣人だとしたらどうだろう。その人に好意的心情を持っているのなら、住んでいることがすぐに分かる家があるのは必ずしも悪くはない。

その点、楳図かずおは微妙である(笑)。
推理小説作家の綾辻行人とかアイドルの中川翔子あたりは楳図かずおを「神」とあがめるほどの信者だが、決して一般ウケする人物ではない。「奇人」の範疇に入ると思う。
奇人でも、周囲の人が「あの人なんだからしょうがないか」という心情になれる愛すべき性格かどうかということもある。
本件の場合、反対運動が起きてしまった時点で特段愛していない住民がいるということになる(当然、好意的な人々もいるのだろうが)。全国にファンが数多くいるとしても、立地場所周辺はそのことはあまり理解していない状況といえる。

ここでいったん話は変えて・・・
注目選挙のたびに立候補する羽柴誠三秀吉氏の建てたホテル(施設)もかなりスゴイ。
シンボルの天守閣などはさほどめずらしくもないが、なんと国会議事堂やミサイル基地(!)まであるのである。
参考リンク↓
http://algolium.farewell.jp/report/odagawa.htm
http://blogs.yahoo.co.jp/mrkusayakyu/19071885.html
もっと知りたい人は「日本インディーズ候補列伝」(大川豊著、扶桑社刊)を読むべし。上記サイトより写真が豊富である。改造戦車まで保持していることもわかる。
この人物の場合は、全国的にはあきれられているものの、周辺住民には意外と愛されているのかもしれない。

本題に戻って・・・
モニュメントが愛すべきキャラクターかどうかというのも問題である。
例えば東京・世田谷にある円谷プロダクションは住宅街にあり、ウルトラマンとミラーマンが立っていたが(参考リンク→http://members.jcom.home.ne.jp/qqq7/puro.htm)、周辺住民は好意的に見守っていたのではないだろうか。

その点、「まことちゃん」は微妙である(笑)。あれだけヒットした漫画なのだから、あのキャラクターのファンはそこそこいると思われるが、なにせ下品さが際立つキャラクターなので生理的に受け付けない人も少なくない。
行政も後押しした、「ゲゲゲの鬼太郎」はじめ水木しげるキャラクターせいぞろいの街「水木しげるロード」なんてところもあるので、地元商店街とタイアップするという手もあったろう。しかし、そもそも吉祥寺住民のセンスとはマッチしそうもない。それに「まことちゃん」はまだしも「へび少女」はちと扱いに困りそうだ(笑)。

周囲から浮いた建物というのは場合によって地域のシンボルにもなりうる。
建てられた背景も絡んでくるが、将来をにらんで、文化財になりうるか、風景になりうるかという視点でも考えてみるべきだろう。
本件はそういう点でも分が悪そうだけど(笑)。

ついでにリンク CRぱちんこまことちゃん↓(←全部ひらがななのもなんとも…)
http://www.kyoraku.co.jp/public/products/2007/makotochan/index.html