家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

住宅における一神教と多神教

2007年02月12日 | 家について思ったことなど
宗教には唯一絶対の神だけを信仰の対象とする一神教と、多数の神を信仰する多神教がある。住宅をめぐる考え方もそんな区分けができるような気がする。

一神教が数多くある(唯一神しかいないはずなのに…)ように、住宅における「一神教」も多数存在する。
それぞれの「神」は家づくりのためにいろいろな「教義」を持つものの、コアになる「教え」については一歩も譲ることはなく、他の「教え」の方を優先することを糾弾する。
ある「神」は、自然素材の使用を最高教義とし、人工合成物だらけの家を忌み嫌う。
別のある「神」は、超高水準の断熱・気密の確保を絶対教義とし、その方向性を追求しにくい工法を邪教のごとく表現する。
また別の「神」は、ローコストこそが信者を幸せにするとして、高価格な住宅は善人を騙していると主張する。

こうした「神」の教義を布教する「教主」や「司教」は業者側に多く存在するが、それはいたしかたない。仕事に信念を持っていればおのずとベクトルが定まってくるものだからだ。
それぞれはまじめで、悪意があるわけでもなく、頼りになることも多い。

ただ私は、施主サイドは一神教より多神教的考え方のほうがいいのではないかと思う。
「神」は唯一絶対の教えを説く存在ではなく、それぞれの分野ごとに神がいる、というような…。
「自然素材の神」
「断熱・気密の神」
「ローコストの神」
「耐震の神」
「防音の神」
「通風の神」
「デザインの神」

それぞれの「神」に、どのくらい自分の家に宿ってもらうか、そんな風に考えたらどうだろう。
一番重要だと考える「主神」を意識しながら、他の「神」にもできるだけ気分よく宿ってもらう。
「自然素材の神」を100%満足させたいけど、「断熱・気密の神」や「ローコストの神」がそれでは困ってしまうから、満足度は80%くらいで我慢してもらおう。そうすれば「断熱・気密の神」も「ローコストの神」にも怒られない程度には満足させられそうだ――。そんな風に…。

絶対の教義を説く「神」を100%満足させると「いい家」になる、というような考え方に身をゆだねたい人もいるだろう。
ただ、それに忠実に従わないと「悪い家」になると考えるのは正直疲れないだろうか。
「一神教」だと「司教」たちの「宗教戦争」に巻き込まれることもある。住宅関連のコミュで「司教」よりも激しく戦う十字軍のごとき「一信者」施主の姿を見かけたりすると、私はほどほどの信心にとどめておけばいいのになあなどと思ってしまう。

そして、自分が信じる絶対神だけに認められた家しか「いい家」に見えないのはもったいない気がする。
・「断熱・気密の神」に愛でられた「いい家」があそこにある
・こっちの「いい家」には「自然素材の神」が気持ちよく宿っている
・あんまり相性がよくないといわれる「耐震の神」と「デザインの神」がケンカもせずにバランスよく同居している「いい家」がある
……
多神教的に考えればそんなポジティブな家の見方ができて楽しい。
八百万の神が住む日本の住人であれば、多神教的な考え方もしやすいのではないか。
自分がひいきにする「神」を定めておけば失敗することもないだろうし、他者に寛容にもなれる。


不用意なTBを戒める

2007年02月12日 | その他
この前、四面背割り材のエントリを書いたら、変なトラックバックがついてきた。
そのブログは「家を売るのは簡単なんです」というしろもの。
「家を売るのに営業マン2人で102棟」なんて袖見出しが付いている。
工務店向け営業マン養成プログラムについての情報だ。たぶんフランチャイジー営業だろう。こちらのブログのエントリになんら関係のない内容である。
工務店が使うようなキーワードを多用していたせいか「検索トラックバック」にひっかかったと推測する。
私はキーワードが同一という理由だけでトラックバックする手法はブログ運営上の迷惑行為だと考えている。よってトラックバックを削除のうえ、遠慮なく言わせてもらう。

このような営業マン教育プログラムやフランチャイジー営業に乗る工務店は、少なくともこのブログを見に来るような施主の方々には向いていません。
一人の営業マンが年間50棟もかかわったら、一つ一つの仕事を余裕を持って丁寧には対応できないでしょう。
そんなあわただしそうな家づくりを私は薦められません。
そもそも「検索トラックバック」などという安直な手法をすること自体が丁寧さに欠ける組織であることを証明しているのに等しいでしょう。
どんな社名の会社か知りたければ下のURLをコピペしてみてください。
http://24toh.seesaa.net/




当事者があやまればこのエントリごと削除してあげるのでコメント欄に申告することをおすすめする。(たぶんコメントは来ないだろうけど…)。
これでまた機械的な「検索トラックバック」がついてくるかも。