北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「ユーチューバーが消滅する未来~2028年の世界を見抜く(岡田斗司夫著・PHP新書2018刊)」を読んだ。岡田斗司夫(おかだとしお1958生れ)氏は、大阪電気通信大学中退で、現在は社会評論家である。1984年にはアニメ制作会社を創業した。東大、立教大、マサチューセッツ工科大、大阪芸大で講師/客員教授を務めてきた。多岐に亘る著作活動を展開している。-----
「ユーチューバーが消滅する未来」は、著述時点から10年先/2028年の社会の変貌ぶりを予測した本であり、主に、AIの進歩/インターネットの利用技術の発達に拠る変貌を中心に、種々論じており、20年前に予測した“僕たちの洗脳社会(岡田斗司夫1995刊)”と現在社会を比較してみせて、過去の予測の精度の良さを誇りながら論を進めている。-----
ネットの出現は、マスメディアから個々人が発信できる双方向メディアへの変換を齎したのだが、それによる社会の変貌は未だ未だ予想がつかない程になるだろうと岡田斗司夫は言うのである。今一番ホットな“ユーチューバー”であっても10年後には消滅するに違いないと予測しているのだ。その理由は、“AI技術の進歩”が人間の仕事を奪っていく過程で、“ユーチューバー”としての仕事も人間では勝てなくなるのだと言うのだ。-----
地球規模でグローバル化がさらに先鋭になるのは必定であり、個々の国がナショナリズムの火を燃やしても何れは鎮火されるのであり、田舎は田舎、ハブはハブとして世界地図の中でその存立を競うことになると言う。そうした時にどう対処すればよいのか、岡田斗司夫氏は次のように書いている。5%の人間はどんな時代が来ようともその才知を活かして生きて行けるが、残りの90%を超える何の取り柄もない人達は、生きるのに齷齪(あくせく)することになるのは目に見えている。がしかし、有能な人の傍に行きその秘書となるか、あるいは道化となっていやす仕事をするとか兎に角どうでもよいから生き抜く必要があるのだと。それ程に情報化時代は厳しく、云ってみれば戦国時代のようにそれぞれの価値観を戦わせて生き抜かねばならなくなると警告している。岡田斗司夫氏自身にも将来が予測出来なくなっているのかもしれないと「ユーチューバーが消滅する未来」を読んで思った。