奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その726)

2018-08-20 08:15:00 | 奈良・不比等
「自省録~歴史法廷の被告として(中曽根康弘著・新潮文庫2017刊/2004単行本の文庫化)」を読んだ。中曽根康弘(なかそねやすひろ1918生れ)氏は、東大(法学部)卒にて、内務省、海軍主計少佐を経て、衆議院議員(1947~2003)となり、総理として5年の長期政権(1982~1987)を運営した。現在は世界平和研究所会長として、日勤しているとのこと。------
「自省録」は、小泉純一郎首相に議員引退勧告をされた翌年(2004)に出版されている。後世の政治家のための道標(みちしるべ)となるだろうと、虚心坦懐(きょしんたんかい)に隠さずに飾らずに書かれた自伝であるようだ。どのページを読んでも面白いが、読者の年代にもよるだろうが、後半はよく知っている原子力の平和利用推進とか国鉄民営化やロンヤス関係の自慢話となっており、それ程には興味を引かない。----
戦後の著名な政治家は全てその人物を評価してあり、結構辛い評点を付けている。田中角栄は議員当選の同期であり、ずっと競争相手であったようだ。中曽根康弘氏の持っていない庶民的感覚や如才の無い政治資金獲得能力や根回しの上手さには舌を巻いたそうであるが、その人間性についてはある種軽蔑していたようだ。小泉純一郎については、当初期待したが結果的には然したる成果を上げていないと、その単細胞で刹那的な行動を揶揄(やゆ)している。------
それにしても、日の出山荘と云い、世界平和研究所と云い自分の居場所を設(しつら)える能力も並大抵のものではないのだから、100歳の存命も中曽根康弘氏の意思として不思議ではないのだろうと思った。
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