奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1764)

2021-06-22 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「性からよむ江戸時代~生活の現場から(沢山美果子著・岩波新書2020刊)」を読んだ。沢山美果子(さわやまみかこ1951生れ)女史は、1973福島大学(教育学部)卒、1979お茶の水女子大学大学院(人間文化研究科/人間発達学)博士課程修了、博士(学術)。現在は岡山大学(社会文化科学研究科)客員研究員/ノートルダム清心女子大学講師。専門は日本近世/近代女性史とのこと。-------

この本の目次は次の通り。“交わる/孕む/小林一茶/七番日記(交合を記録する一茶/性と禁忌)”、“不義の子を巡って/善次郎ときやのもめごと(村と藩を巻き込んだ騒動/裁定の背景)”、“産む/堕ろす/間引く/千葉理安の診療記録(記録された産の現場/産と堕胎の両義性/堕胎を試みる女たち)”、“買う男/身を売る女/太助の日記(性買売の大衆化/隠売女の出自を探る/売られる娘)”、“江戸時代の性(生類憐み政策から妊娠出産管理政策へ/養生論にみる性意識/農民にとっての家と仕合/江戸時代から近代への転換)”、“おわりに(生きることと性)”------

扉の抜き刷り文は次の通り。小林一茶はなぜ妻との交合を具に書き留めたのか。生まれた子は自分の子ではないと言い張る夫と妻の争いの行方は。難産に立ち合った医者の診療記録にみる妊婦の声/町人が記す遊女の姿。史料の丹念な読み込みから江戸時代に生きた女と男の性の日常とその背後にある家意識/藩や幕府の政策に迫る。-------

沢山美果子女史は、江戸時代の文献史料を読み込んで、庶民生活を浮き彫りにする研究に打ち込んでこられた。従って、この本も学術書の色彩がとても強い。小林一茶の裏の顔を知らない人は冒頭から驚くだろう。女性目線なので、手抜きの無い懇切丁寧な史料の読み解きがなされている。流石/岩波新書だけのことはあると思わせられる本なのだ。

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