奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1759)

2021-06-17 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「新型格差社会(山田昌弘著・朝日新書2021刊)」を読んだ。山田昌弘(やまだまさひろ1957生れ)氏は、1981東大(文学部)卒、1986同大学院(社会学研究科)博士課程単位取得退学。現在は中央大学(文学部)教授である。主著に“パラサイトシングルの時代(1999)”がある。--------

この本の目次は次の通り。“はじめに(コロナ禍による不可逆的変化/階層社会化の懸念)”、“家族格差/戦後型家族の限界(震災以上のコロナ禍の衝撃/ますます加速する少子化/夫婦間で広がる愛情格差/コロナ禍で深化する家族格差)”、“教育格差/親の格差の再生産(中流意識を支えてきた教育/世帯減収による学習格差/デジタル格差/コミュ力格差/英語格差/小学4年生で人生が決まる/教育格差による大学淘汰)”、“仕事格差/中流転落の加速化(エッセンシャルワーカーとリモートワーカー/持つ者と持たざる者の分断/リモートワークのリアルな弊害/観光業と飲食業の勝ち負け実況)”、“地域格差/地域再生の生命線(首都からの転出超過/高学歴者の出身地/土地の勝ち組負け組/地域コミュニティ消滅の果て/住宅すごろくが機能しない/富裕層の脱出と貧困層の滞留/教育と年収と地価の関係/自己責任論がつくる階級社会/マイホームあってのパラサイトシングル/ひきこもり100万人の日本社会)”、“消費格差/時代を反映する鏡(積極的幸福と消極的幸福/承認のための消費物語/個人消費の台頭/家族と個人の限界の先に)”、“おわりに(令和の格差の行方)”------

山田昌弘氏の現在の心境が窺(うかが)える本となっている。コロナ禍の最中であり、社会学者特有の能力で日本社会の今後の悲惨な風景が目に浮かぶのだ。明るい夢が能天気(のうてんき)に語れない職業なのだ。でも平成時代に日本は不可逆的な格差社会に陥ってしまったというのは認めざるを得ないだろう。

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