奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その262)

2017-05-13 09:01:19 | 奈良・不比等
「ビジネスエリートの新論語(司馬遼太郎著・文春新書2016刊)」を読んだ。司馬遼太郎記念館の上村洋行館長の解説によれば、司馬遼太郎が本名・福田定一にて執筆活動をしていた頃で、新聞社に勤めるサラリーマン時代に書いていた随筆集を「ビジネスエリートの新論語」として、この度、発刊したと述べている。-------
時代的には可成(かな)り遡(さかのぼ)る。戦後直ぐから、高度成長期に至る前までの日本社会の風景を論じている。ビジネスエリートとの題名であるが、当時のサラリーマンの心情を会社と家庭、またその周辺について色々シニカルに見ている。------
最初の結婚に失敗をした福田定一(司馬遼太郎)であるが、この「ビジネスエリートの新論語」の書かれた時代には女性の地位が低くて新人サラリーマンは職場の女性から直ちに狙われたと書かれている。------
後年、歴史小説や大河小説を物にする前であり、普通の感性を持つ福田定一自身が実在のサラリーマンとして随筆風の書簡を書き溜めていたようだ。全集には収められているのかも知れないが、この新書の解説では初出版であるとのこと。小説の大家として完成された姿しか知らない者にとっては、この「ビジネスエリートの新論語」は司馬遼太郎を身近に感じることができる書物であると思った。勿論、当初からのファンであっても没後20年で初出とは嬉しい限りでしょう。------

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