奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その267)

2017-05-18 00:38:45 | 奈良・不比等
「不要なクスリ無用な手術~医療費の8割は無駄である(富家孝著・講談社現代新書2016刊)」を読んだ。富家孝(ふけたかし1947年生れ)氏は「東京慈恵会医科大学」卒の医師である。家業の病院経営に失敗した経験をお持ちである。------
年間40兆円に上る国民医療費の数々の無駄を健康保険の点数を参照しながら分かり易く説明してくれている書籍である。要(よう)は、患者本人が医者の診察結果を鵜呑みにせずに、自分で考えて治療を受けるかどうかを判断せよと云う。75歳以降の後期高齢者となった場合は、「例え癌(がん)になっても天命と思って手術や抗癌治療を受けるのは止めなさい、どうせ延命効果は殆(ほとん)ど無い」のだからだそうだ。------
これまで日本の公的医療制度は手厚かったが、団塊世代が疾病を抱えるようになると医療費は当然パンクするので、2025年までに、健康保険の自己負担額を徐々に増やして、金持ちの高齢者は別だろうが、高齢者全員が誰でも「何でも彼(かん)でも高額の治療を受けまくること」が出来ないように制度の見直しを政府は進めていると述べている。-------
毎年100万人の高齢者に終末期の1ヶ月間当たり平均100万円の医療費を使っており、年間1兆円に上る無駄金となっている。医療財政が豊かであった時代ならいざ知らず、今となっては若年層に回した方が良いのは自明の理とも云えるだろうと。-----
人間ドックや癌(がん)検診についても罹患する疾病により効果のあるものと無いものがあると医師の立場から隠さずに論述されている。-----
製薬業界と医療機関との癒着があり、高血圧症や糖尿病については軽い症状の人まで薬漬けの状態に引きずり込んでいる面もあると健康診断の数値を列挙してこれも医師の立場から詳述してくれている。------
世界遺産・古都奈良の地元である奈良県には奈良県立医科大学があり都道府県単位の医療行政を間違いなくチェックできる体制を自前で持っている訳であり適正な医療を受けられる点で安心な県及び市町村だと思われる。



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