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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

くるみ割り人形

2021-12-19 10:59:30 | バレエ
12月18日の夜に、新国立劇場でバレエ「くるみ割り人形」を見る。年末の恒例だが、今年は年始も上演するので、12回公演となっている。こんなに回数が多いなら空席があるかなと思ったら、ほぼ満席なので驚いた。クララを踊るのは米沢唯と小野絢子が3回づつ、木村優里、池田里沙子、柴山沙帆が2回づつとなっている。

熱心なファンだと、5人全部を見てみたいということだろうが、とても5回は行けないので、今回は若手のホープ木村優里の回をとった。くるみ割り人形役はやはり若手の渡邊峻郁。ドロッセルマイヤーやネズミの王様も、初役の若手が起用されていた。ネズミの王様役の渡邊拓朗は、くるみ割り人形役の渡邊の弟らしい。被り物をとると、結構イケメンだった。また、花のワルツでは、井澤諒が出ていて、これも井澤兄弟の一人なので顔が似ていた。

オーケストラは東京フィルなので安心して聴けるが、回数が多いので指揮はアレクセイ・バクランと冨田実里が交代で受け持っていて、僕の聴いたのは冨田実里のほう。バレエを専門に振っているので、安心して聴けた。

イーリング版なので、振付は結構凝っていて、静止ポーズはあまりなくて、常に動き回るような振付が多い。その良さが存分に発揮されるのは1幕終わりにコールドが踊る「雪の精」の場面で、複雑に変わるフォーメーションを見事に新国のコールドが踊っていた。この場面がイーリング版では一番好きだ。この場面で少年少女のコーラスが入るが、以前は客席の上手と下手の上階で歌っていたのに、コロナのためか舞台後方でから声が聞こえてくるので、なんとなく物足らなかった。

いつも思うのだが、1幕に比べると、2幕は面白くない。クララの夢の中でドロッセルマイヤーが、いろいろな踊り手を見せていくという設定なのだが、一体何のために踊るのか、誰のために踊るのかがあいまいで、面白みが出ない。それぞれの踊りは手の込んだものだが、アラビアの踊りも、中国の踊りも、凝ってはいるが面白みに欠ける気がした。

木村優里は、華があってキュートでかわいい感じで、見ているだけで楽しい。渡邊峻郁も立ち姿がスラリとしていて、ほれぼれとする。しかし二人ともテクニック的にはまだ、米沢や小野、福岡などのレベルには達していないような気がする。しかし、木村のフェッテや渡邊のジャンプはそれなりに良いなあと感じる。

夜の回だが、子供も多く、女の子などはクララになりきって喜んでいた。また、いつになく外人客も多かったような気がした。ロビーには巨大なクリスマス・ツリーが電飾に飾られて設置されていたので、恰好の写真スポットになっていた。

6時に始まり、30分の休憩をはさみ、カーテンコールが終わったのは8時30分頃。家に帰って軽い食事。菜の花とベーコンのソテー、生ハム、ソーセージなど。飲み物はボルドーの白と赤。

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