たとえば、
死んだように生きている人を演じて、
「鬼気迫る、迫真の演技!」と、絶賛される俳優はいるのに、
実際に、死んだように生きている人が、絶賛されないのは、どうしてだろう?
演じるテクニックに価値があるから?
だったら、舞台やカメラの前じゃなく、
家庭で、職場で、あらゆる実生活の中で、
不特定多数の人の前で、
何か、自分じゃないものを、演じたときに、
あとから、
「あなたは私にウソをついた!」と、
言われることがあるのは、どうしてだろう?
「演じること」が、「だますこと」になるのはどうしてだろう?
同じことを、
舞台の上でやると、芸術となり、
日常の中でやると、不誠実となる、この不可思議さったら!
名優は、
テクニックを使おうなんて、策略はなく、
ただ、その役柄を生きる、だけだという
だったら、
「人間」を演じているのを忘れるほど
役に没頭して生きている神々こそ、
ほんとの名優だと思う
「死んだように生きている」こと、それ自体が、
神が、心底したかった、貴重な人間体験なんだ
そう考えてみたとき、何が、起こると思う?