子育て中のお母さんならご存じかも知れないが、
ベビーサインというものがある
1980年代頃からアメリカで研究開発された赤ちゃんとのコミュニケーション方法だ
1歳半頃までの赤ちゃんは実は言葉をたくさん理解しているが、
のどや口の筋肉が発達していないために話すことができない
でも、手の発達は早いので、
言葉をジェスチャーで教えることで、手話を使って意思疎通ができるのだ
先日、
友人が、彼女の愛娘(1歳4ヶ月)とそうやって会話しているのを見た
ママのひざの上で、お菓子を食べていた赤ちゃん
ママが、「おしまい」と両手でサインを送ると、
赤ちゃんは、
両手の指先を合わせて ( 「もっと」 )
手のひらを口に持っていって ( 「食べる」 )
と、意志を伝えてきた
言葉が使えなくても、意識や知性はちゃんと発達していて、
表現方法さえあればコミュニケーションができるのだ
プロセス指向心理学のアーノルドミンデル博士は、
コーマワークというのを実践している
コーマ、すなわち、昏睡状態にあって、言葉による意思疎通が困難な重篤な患者に対して、
彼(彼女)のうめき声や苦しみの表情を根気強く真似て、
いわば、波動を合わせて同化していくと、
やがて、言葉でないレベルで、意思疎通が可能になる
いわば、変性意識状態でのカウンセリングだ
ミンデルは、意識混濁の中にある患者に、
生死の選択と決断をさせることもあるという
言葉が表現できる範囲には限界がある
この世の森羅万象を「言葉」ですべて表現できるはずはない
イヌイット(エスキモー)は、雪を表現するのに、6~70種類の単語を駆使するという
日本語は、他の言語に比べて、色を表す単語がはるかに多彩だという
それでも、すべての現象を言葉に置き換えるのは不可能だろう
私たちが時々気持ちを言葉にできないのもそのためだ
アートやダンスや、
あるいは、
海辺でYシャツにアイロンをかけるといったシュールな行為でしか表現できないこともあるかも知れない
でも、そこに、
伝えようとする心や意志があるのなら、
表現したいという望みがあるのなら、
思い切って、カラダのどこかを動かしてみると、
その思いは形を取って外へ出て行くから、それだけで、自分自身の中で癒しが起こる
大事なのは、
自分が自分の世界を表現してあげることで、
相手に理解してもらえるかどうかは次の段階だ
「どうせ、分かってもらえないから、話さない」をしていると、
心の新陳代謝がうまくいかなくなってしまう
相手がどう受け取るかは、相手の選択を尊重しよう
そう思っていると、
相手が本当に自分の言葉を理解してくれたとき、
格別の喜びとなって、感謝せずにはいられなくなる
きっと赤ちゃんも、ベビーサインという方法で、
そんな意思疎通の喜びを味わっているに違いない
スピリチュアルカウンセリングサロン「フォルテネージュ」