一年のうちで、
最も寒い、一月の末。
毎年、この時期になると、
つい、見つけてしまうものがある。
あなたは、果たして、知ってるかしら?
凍える空気のなか、
桜の木の枝が、
もうすでに、
たくさんの蕾をつけていること
ひとつひとつは、
まだ、しっかり、
木の皮に覆われているんだけど、
その内部で、
まるで、蝶になる前のさなぎみたいに、
圧力を受けて準備されているにちがいないんだ
不思議なのは、
その桜の枝を、遠目で見ると、
ふんわりと、でも確実に、
枝全体が、薄いピンク色に霞んで見えるってこと!
かと言って、間近でまじまじと観察しても、
決して、どの蕾にも、
花びらのかけらさえ、見えない。
近すぎると、かえって見えない、
遠くからだからこそ、よく見える、
ということがある
それを、見つけたとき、
私は、それまで長いこと、
こつこつ走り続けていて、
もう、そろそろ一休みしようかと思っていたのだけど、
いやいや、一気に、元気が出てきてしまい、
休むどころか、
それまでより、さらにスピードアップして、
桜の木立を走り抜けていたよ
Things will be only better.