その老婦人はきっと、
いつも進み続けなければならないって、生きてきたんだと思うの
人生とは、休みなく、歩き続けるもので、
それを阻むようなものが現れたら、自分で対処して、とにかく前進あるのみ
周囲にどんなにきれいな花が咲いていようと、
可愛い犬がいようと、
空が美しかろうと、
鳥の声が朗らかだろうと、
そんなものを楽しむことは、人生の目的ではなくて、
ただ、ただ、前へ前へと行くことが、
課された任務なんだって、
そうしなければならないって思って、生きてきたんじゃないかと思うの
家族の中でも、
彼女以外には、それぞれ、仕事だとか学校だとかって、大義名分があるから、
きっと、彼女が、家のために、何でも、合わせてきたんだよ
でも、もう、じつは、前を見るのも嫌だと思っている
何かに煩わされるのも嫌だと思いながらも、休まずにいる
そして、その日、そのとき、彼女は、私たちとすれ違った
前が見えないほど、まぶかに日傘を差してたから、
きっと、犬を連れた私たちが、突然出現したように見えたんだね
彼女にとって、私たちは、まさに、人生の障害物そのものだったんだろう
だから、すれ違いざま、彼女は、
「(あなたが)犬を連れていたら、私がよけなけりゃならないの?」って、心に澱(おり)のように積もった憤りを口にしたんだ
まだ少し距離があったのに、
彼女は、ものすごく素早く反応した
その機敏さで、いままで、いろんなことを、切り盛りしてきたんだろうなあ・・
でも、やっぱり、
そんなつもりがなかったのに、そう言われた私たちは、
ちょっと寂しくて、彼女の被害的な感情が連鎖した
・・・さあ、彼女の課題は、私たちの課題
ちゃんと回り道をしよう
周りにあるステキなものたちに目を向けよう
感情をしっかり見つめて味わうことをすっ飛ばしたら、
思わぬところで、無視されたそれが暴走するから、
悲しみや憤りを、ちゃんとそのときに、味わって、
鬱積しないうちに、まだマイルドなうちに、表現しよう
ときには、進まなくてもいいんだからさ、
ちょっと、ここらで、ひと休み、って、
何度、休憩しても、いいんだからさ
前進あるのみがいけないんじゃない
そうでなければならないって縛りを捨ててみようって言っているの
前日、チャネリングした「急がば回れ」の意味はこれだと思うよ
ハートサポートサロン「フォルテネージュ」