ラスト上映は、アルドリッチの傑作『カリフォルニア・ドールズ』と、パスカル・ロジェの新作『トールマン』

2012-11-25 01:01:01 | 映画&ドラマ


 土曜日は、来月2日に閉館となる渋谷の【シアターN】で、アルドリッチの遺作『カリフォルニア・ドールズ』と、パスカル・ロジェの新作『トールマン』を観てきました。
 『カリフォルニア・ドールズ』はソフト化されていない傑作映画の一つで、実に30年ぶりの公開になります。しかもニュープリント! 『トールマン』は、(『マーターズ』の監督だから)残虐で血が迸る物語だと思っていたのですが(主演がリメイク『テキサス・チェーンソー』のジェシカ・ビールだし)、ちょっと不思議な余韻が残るホラー(ということにしておきましょう)映画でした。さらに、やはりアルドリッチの幻の傑作『合衆国最後の日』のモーニング上映も行っていて、最後の幕を飾るに相応しいラインナップだと思いました。

 【シアターN】としての7年間と、その前の【ユーロスペース】時代(【ユーロスペース】はBunkamura側に移転して営業中)を含めると、実に30年の長きにわたって映画を上映してきました。ニワトリさんはオープニング当初から通っていたので、寂しさもひとしおです。恵比寿ガーデンシネマ、シアターN、そして来年三月のシネパトス銀座・・・。好きな映画館が次々と消滅しています。

 【シアターN】のオープニング作品は『七人のマッハ!!!!!!!』。マカロニ・ウエスタンや香港エンタテイメント、塚本晋也監督特集といった企画物に、後半はゾンビ&スラッシャー映画の専門館として、圧倒的少数派ではあるけれど熱狂的に支持されました。最後の特集がハーシャル・ゴードン・ルイスだから、すごいよね。ちなみに、ニワトリさんも、ハーシャル・ゴードン・ルイスのこてこてなゴア映画のほぼ全作品のDVDを所持しています。
 個人的には、どちらかというと、【ユーロスペース】時代に上映された映画の方が思い出深く、『チェブラーシュカ』『ミトン』のようなゾンビ映画の対極に位置する映画も、『妖婆 死館の呪い』『火を噴く惑星』『彗星に乗って』といったカルト映画もここで観たし、頭が痺れるほど感動したドキュメント映画『コメディ・フランセーズ』も確かここだったような・・・。
 あの成海瑠子さんも、【シアターN】と【シネパトス銀座】に通っていたそうです。一度も遭遇できなかったけれど、嬉しいじゃない! 終映後に一人、館内の写真を記念に撮りました。

 ハンバーガー&ポテトと安モーテルで食いつなぎ、おんぼろキャディラックで町から町へと旅を続ける『カリフォルニア・ドールズ』の三人に敬意を表して、国立に戻ってからジャンクフードで遅い夕食を取りました。毎日毎日じゃ嫌になるけれど、たまに食べると美味しいよね~♪
(すりこみって怖い? 久しぶりです、グラコロ)


(左)【シアターN】(1982年に【ユーロスペース】として開館)は、渋谷駅西口さくら通りの坂の途中にあります。渋谷駅は降り口がたくさんあり、何度も迷っては癇癪玉を破裂させましたが、それも思い出に・・・。
(右)階段を上って二階が映画館です。何度この階段を上ったかなあ?


シアターN1(左)で『トールマン』を、シアターN2(右)で『カリフォルニア・ドールズ』を観ました。至福の四時間です。


 初めてこの西口歩道橋を渡ったとき、ここは未来都市だと感心したものですが、今夜は少しだけセンチに渡りました。振り向きざまに一枚・・・。


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