『幼獣マメシバ』 ~犬に引かれて富士巡り

2009-08-04 23:57:20 | 映画&ドラマ



 猫(『私は猫ストーカー』)の次は、やはり犬でしょう! というわけで、柴犬の子供が出てくる『幼獣マメシバ』を観に行きました。
 最近、犬&猫が出てくる映画が多いような気がしますが、ジャンルは違うけれど「千の風になって」に通じる「うさんくささ」が感じられ、近寄らないようにしていました。でも、『私は猫ストーカー』と『幼獣マメシバ』は、彼ら小動物が持っている「絶対的な可愛さ」を、これ見よがしに押しつけようとしないところが私の肌に合いました。
(でも、やはり、絶対的に可愛いのだけど)
 後日談になりますが、撮影に使われた柴犬の姉妹は、立派な大人に成長していました。子供の頃の可愛さとは違うけれど、やはり圧倒的に愛らしい姿に目尻が下がります。

 まず最初に、映画の中で個人的に馴染みのある場所がたくさん出てきました(富士急ハイランド、富士急行線、河口湖、樹海、富士山・・・)。自分が最後にそこを訪ねてからかなりの年月が経ってしまった場所もありましたが、非常に懐かしかったです。近い将来、ロケ地巡りに行こう~♪
 さて、どちらかというと物語に入っていきやすい『猫ストーカー』と違って、『幼獣マメシバ』は、生まれた町から一歩も出たことのない「ひきこもり」の中年男性が主人公なのはまだわかるにしても、周到に計画された荒唐無稽な物語(映画はテレビドラマとは異なるオリジナルストーリー)についていけず、「こんな話、あるわけないだろ!」で終わってしまうかもしれません。もっとも、そう感じるのは自分のようにテレビドラマを見なかった人で、ロールプレイング・ゲーム感覚のテレビドラマを既に見ている「マメシバ」ファンには、逆に「お約束」だったのかもしれません。
 主人公を演じた佐藤二郎さんのつぶやきがいちいち可笑しい『幼獣マメシバ』ですが、年齢不詳の安達裕実さんや年齢を感じさせない藤田弓子さんも、「リアルなようで実はおとぎ話」であるこの作品に相応しいキャスティングだと思いました(石野真子の怪演も見どころ?)。
 どこかとぼけたところのあるホラ話といえば、劇中「嘘ばかり言っている」と、周りから言われているおじさん(渡辺哲)が出てきた時点で、ティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』を思い出しました。なるほど、この作品は映画のための壮大な(というか、大風呂敷を広げるみたいな)ホラ話だったんですね(オープニングから「嘘」の始まりだったわけだし)。だから、全然深刻ではない!
 どんな問題に直面しても深刻になり過ぎないこと。できるようで絶対にできません。でも、やはりそれが一番大事だと思います。
 「ひきこもり」だけで十分深刻ですが、そんな主人公には人知れず抱えている病気があって、このことは悩みを抱えている本人にとっては深刻極まりない問題だけれど、周りの人はそれを「病気」ではなく「個性」だとして尊重する気持ちが大事だと思います。少なくても、ドラマの中ではそのように扱っていて、具体的な病名を挙げていませんでした。
 幼獣マメシバ(「一郎」君を生まれたばかりのサクラ姉妹が演じる)の絶対的な可愛さと、奇跡のアドリブ演技は完全に「反則」技! 一郎が登場するたびに、思考停止に陥ってしまいます。総体的に、「反則」すれすれの映画でした(昼食を挟んで、反則技オンパレードの『ウルトラミラクルラブストーリー』へと梯子しました・・・)。


こちらの幼獣も「反則」です!


 『幼獣マメシバ』の公式HPは、 → ここをクリック


最新の画像もっと見る

コメントを投稿