『空気人形』ロケ地を訪ねる ~湊公園

2009-10-17 23:48:48 | 映画&ドラマ


生命は 自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい
花も めしべとおしべが揃っているだけでは 不充分で
虫や風が訪れて めしべとおしべを仲立ちする
生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ
~吉野弘「生命は」より~



 映画『空気人形』のスチール写真と同じアングルでカメラを構えてみました。映画の中では寒そうな素振りをこれっぽっちも見せていませんでしたが、撮影時は真冬! 右端の枝は葉が落ちています。堤の下に並んでいる発泡スチロールの植木台や植木鉢は撮影時のまま今もあります。というか、そのまま撮影したんですね。私もベンチに座り、堤防の上を歩き、彼女と同じように「生命は」を朗読してみました。
「・・・私も あるとき 誰かのための虻だっただろう  あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない」

 今日は久しぶりに「アオガエル」君を走らせ、武蔵境で油そばを食べてから『空気人形』のロケ地になった中央区の湊公園を訪ねてきました。彼女が元代用教員だったおじいさんと並んで腰かけたベンチに、自分も座ってきました。


 この写真も、映画のスチール写真と同じ構図で撮影しました。左のベンチに元国語教師役の高橋昌也さんが、右のベンチに空気人形を生きたペ・ドゥナさんが座っていました。この日はお昼過ぎから午後4時過ぎまで、この辺をうろうろ徘徊していましたが、その間も幾人かのファンが湊公園を訪ねに来ていました。写真の二人もその中の一人で、こっそりモデルになってもらったというわけ・・・。


 国立に戻るまでは、麹町、新富町、京橋まで通勤していました。この界隈(鉄砲洲)もよく通っていたのですが、川沿いの湊公園のことは知らなかったし、オープニング・ショットで非常に印象的だった昇降式駐車場の錆びた鉄骨にも、全く目をとめていませんでした。このあたりの土地は奇跡的に空襲から免れたこともあって、昔の街並みがそのまま残っていたのですが、バブル期の再開発事業で地上げにあい、それが途中で頓挫してしまったため、虫食い状態の空き地のまま放置されている土地が結構あります。数年前の建設ラッシュにより、川沿いに並んだ高層マンション以外にも、どんどんビルが建設されるようになりましたが、昔ながらの建物がまだ残っていて、ビルとビルの間を縫うように路地を歩くのがこんなに楽しいとは思いませんでした。もう一回映画を見て?また来るつもりです。それも、雨の日と夕方以降に!

 彼女と同じように、たった今この世に生を受けたような眼差しで歩き回り、写真も結構撮りました。夜は、サン・ガンホ主演でペ・ドゥナも妹役で出演している『グムエル 漢江の怪物』のDVDを鑑賞しました。因みにくるみさんは、最初は邪魔ばかりしていたのですが、そのうち膝の上で落ち着いて一緒に映画を鑑賞しました。その後も跳び回っていましたが、今現在(午前1時)ベッドの上でグルーミング中。そろそろ一緒に寝ようかな?


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