Vol. 34からつづき。
香港の仲間由紀絵さんことFと食事に。
さて、予約しておいたというレストランの席について、彼女はメニューを見ながら、あれこれ考えている。
「葱と香菜とピーマンは駄目なのよね?」
「うん。なんか豚肉たべたいねえ。」
「いいわ。待って」
彼女は、どれにするのか、真剣に選んでいる。
紙の切れ端に自分のフルネームを書いて、ちょうどお茶とビールを持ってきた服務員に渡す。
「Bに渡してくれる?」 彼女に聞こえないようにと。
「注文とりに来ないわねえ・・・。」 やっと決まったらしく、彼女が顔をあげる。
「まあ、のんびり行こうよ。」
「そうね。」
「今晩は。ようこそ○○○へ。お待たせしました。」 真後ろから声をかけられてびっくり。
「おおーっ!」
「レイホウ。 久しぶり。何だ、電話してくれればよかったのに?」
「いや、彼女のご招待で来たら、ここだったわけだ。」
「本当に久しぶりだ。Jとカミさんには会ったのか?」
「今日の午後に辿り着いたばかりで、連絡はしてない。」
「そっか。じゃあ、連絡しとく。このあとは何か予定があるのか?」
ポカンとしている彼女を指して、「今夜の予定!」とつぶやく。
「ははーん・・・」
「綺麗なお嬢さん、はじめまして。 私の名前はB。たーさんとは友人の紹介でもう5年も悪友をやってます。」
「余計な紹介するんじゃないよ。」
「あ、はじめまして。私はFです。たーさんとは、その・・・」
「ああ、いいんですよ。 私共はそこいらへんを深く詮索しないのが、モットーですから。」
「はい。」
「お好みのメニューは決まりましたか?」
「ええと、これとこれとこれ。あと、これも下さい。スープはこちらを。」
「かしこまりました。 若干メニューが多くなるかもしれませんが、お腹は空いてますね?」
「ぺこぺこです。」
「わかりました。」
普段ははっちゃけた姿しか見ていないので、仕事をしているのを見るのは珍しいが、なかなかのGMぶりだ。
「たーさん、こっちでちょっとやるけどいいか?」
「HK$はもってないからね。サービスだろ?」
「たーさんからとれるか!Jに殺されちまう。あと、Jに連絡するからこのあと飲みに行こうよ。」
「仕事は?」
「なあに、例によって終わる頃に戻るから大丈夫だ。」
「OK」
「少々お待ちください。」
Bが立ち去っていく。 ポカンとしている彼女がやっと我にかえったのか、僕を睨んでいる。
つづく。
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