アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

極上品~カズオ・イシグロ著・土屋政雄訳「日の名残り」

2019年01月21日 | 読書三昧

先ほど読み終わったばかりなのですが、心地よい読後感に浸っています。

さすが、ノーベル賞作家の小説は違うな、との思いです。
つまり、人間とは、人生とはという永遠の命題を平易な言葉で描き切っていると言って良いでしょう。

加えて、英国の現在のどうしようもない状態を、30年も前に(小説の中で)言い当てています。

「イタリアとドイツは行動で立て直しをはかった。・・・ルーズベルト大統領は大胆な1歩を踏み出すことを恐れなかった。

それに対しイギリスはどうだ。
時間が1年1年過ぎて行くのに何もよくならない。われわれがすることといったら、討論し、口論し、時間を引き延ばすことだけだ・・・」

昨今の「ブレグジット」の成り行きを見通していたかのようです。

いずれにせよ、この小説が英国で最も権威のある「ブッカー賞」を受賞し、そして彼がノーベル文学賞を授与されたことで、ノーベル賞作家の小説とはどういうものなのか、また、どの程度の質を要求されるのかを知ることができます。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)  

蛇足:あらすじ(「BOOK」データベースから)
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々~過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。英国最高峰の文学賞、ブッカー賞受賞作。

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何でもランキング~こたつを使っていますか?

2019年01月20日 | アーバンライフ

週末の新聞(朝日)雑学版に掲載された何でもランキング。
今週のお題は、「こたつを使っていますか?」



結果は、7対3で「使っていない派」の圧勝となりました。
小生は、まぁそんなものかなと思いました。

つまり、冬だから暖房のためにこたつを使うかどうかというより、現代は家の造りからして、こたつを置ける部屋・日本間があるかどうかという問題であろうと思います。

これは、「以前はこたつを使っていた」とお答えになった方が8割を越えていることでも頷けます。

拙宅では、家内が「日本間派」のため、住み替えのたびに、引っ越し先には日本間があることが前提でした。

従って、日本間に居を定める家内としては、冬になれば、そこに「こたつ」があるのは必然で、結果、拙宅では(海外勤務の時期を除いて)いつも(こたつが)ありました。

さてさて、皆さまのお宅ではどうでしょうか。

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時刻表の旅

2019年01月19日 | アーバンライフ

昨夕、散歩のついでに本屋さんに寄り「時刻表」を買って来た。

いつも旅行会社の企画ツアーにのっているのも能がないと思い、今年は、大げさに言えば自前の旅に徹したいと思ったからだ。

取り敢えず、春先に日本アルプスの山並みを眺めに信州などへ出かけてみようと思っている。

という訳で、この「時刻表」を手に取ったら、次から次へと旅への思いが募り、あちこち読み漁って時間を忘れてしまった。

おかげで、今朝は持病のドライアイが再燃して目が痛い。

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若者の結婚感

2019年01月18日 | アーバンライフ

過日ご紹介した新聞(朝日)の「人口減社会」をテーマとした世論調査。

現代人の結婚や家族に対する考え方にも興味深い結果を示している。

結果は下図の通りだが、結婚感については、18歳から29歳までの若者世代で「必ずしもしなくてよい」とする回答が男性で69%、女性に至っては78%にものぼっているというから驚きだ。

また、30代では男性が53%と漸減するに対し、女性は68%と高止まりしている。

つまり、現代の若者、とりわけ若い女性は、結婚に対する甘い夢などからしき持っていない(持てない)ということだろう。

これでは、国の将来を見据えた少子化対策など砂上の楼閣と言わねばなるまい。何がこうした結果を生んでいるのか、よくよく検討してみる必要があろう。

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時事川柳傑作選

2019年01月17日 | ドラミング

今朝の新聞(朝日)に載った時事川柳。

世相を反映した傑作が並んだ。

1句:英国はどこへ行く?

2句:英国でダメなら日本があるさ・・・。バカにするのもいい加減にせいよ。

3句:2004年以来というから驚く。官僚の手抜きと偽造、隠蔽体質は長い歴史の所産か?

5句:あれこれ理由をつけてみるが、結局、自らの右翼的思想に市民を従わせようと・・・。

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新着ドーナツ~メータ ・ロサンゼルスフィルの「春の祭典」

2019年01月16日 | アーバンライフ

ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」は、ダイナミックな構成と音域の広さからオーディオファンに愛される楽曲である。

このためもあって、レコード各社は、録音技術の見せ場として優秀録音盤のリリースを行ってきた。
結果、アンセルメ・スイスロマンド、ショルテイ・シカゴやブーレーズ・クリーヴランドフィルなどによる名盤がそろっている。

このメータ・ロスアンゼルスフィルによるLPも、当時、優秀録音盤として広く愛聴された。

今回、タワーレコードの「VINTAGE SA-CD COLLECTION」の一環としてCD/SACDハイブリット盤として復刻、リリースされた。

今回、MB(ミュージックバード)での放送をハイレゾ(96kHz24bit)でエアーチェク・試聴したが、50年前の録音とは思えない新鮮でダイナミックな演奏を楽しむことができた。

収録曲
 ・ R・シュトラウス 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30*
 ・ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」
 ・ストラヴィンスキー 8つのミニアチュア

演奏
 デイヴィッド・フリジナ(ヴァイオリン)*
 ロサンゼルス・フィルハーモニック
 ズービン・メータ(指揮)

録音
 1968年5月・69年8月
 ロサンゼルス、カリフォルニア大学ロイス・ホール
 
品番
 PROC-2173

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ツアーパンフレットの山

2019年01月15日 | アーバンライフ

この2・3年、企画ツアーに便乗して旅行することが多かったせいか、この正月以来、旅行会社から次々とパンフレットが送られて来た。

特に、価格の高いプレミアムクラスのツアー案内が家内宛送られて来るようになった。

これは、ツアー代金の振り込みが家内名義になっているため、「金づる」と思われたのかも知れない。

また、どういう訳かサプリや食品、装飾品の通販カタログなども同封されて来るから、見る間にパンフレットの山ができる。

これらの紙の原料となる木材の消費量を考えると、あまり気持ちの良いものではない。

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孤独死が心配~50%越す

2019年01月14日 | アーバンライフ

昨日の新聞(朝日)に載ったこの記事。

最近、同紙が行った「人口減社会」を主題とした世論調査によると、自分の孤独死を心配する人が50%もおり、これが一人暮らしに限ると67%にもなるというから驚く。

現政権の関心はもっぱら「戦争する国」づくりに向いているが、むしろ、こうした「人口減少社会」を見据えた政策を優先させるべきと思うがどうだろうか。

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浅田次郎著「おもかげ」

2019年01月13日 | 読書三昧

同氏の最新作というので期待して読んだが、大分がっかりの一冊。「毎日新聞」2016年12月~17年7月連載、377頁の大作。

関連会社の役員になっていた同期入社の親友が、定年退職の送別会の日帰宅途上の電車内で倒れ、人事不省のまま緊急搬送されICUで集中看護を受けている。

この親友はもとより、家族もそれぞれ病院に行き、見舞いや看護にあたるが、当の本人(病人)は、同氏得意の幽玄界に彷徨い出て、謎のマダムと食事に出たり、海岸を散歩したりする。

勿論、それが主題ではないのだが、こうした架空世界を勝手に創造してそれが物語の大半を占めるということになると、それは読者をペテンにかけたことになりはしまいか。

日本ペンクラブの会長まで務めた作家の最新作としては、如何にも寂しい。

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日本語が面白い

2019年01月12日 | ギャラリー

「文芸春秋」誌の「日本語探検」が面白い。
新年号は、敬語についてである。

敬語の基礎は、動詞の尊敬形と謙譲形を使い分けることにあるという。
つまり、「尋ねる」という動詞は、「お尋ねになる」と「お尋ねする」が一対となって構成される。

しかし、例えば、「書く」という動詞は、「お書きになる」とは言えるが、「お書きする」とは言わない。

この場合、「書かせていただく」という便法をとることになる。

このように、謙譲形を持たない動詞が意外と多く、例えば、帰る、使う、参加する、変更する、など、この形が多数派を形成する。

そこで登場するのが、「いただく」言葉で、「帰らせていただく」や「使わせていただく」となる。

政府の国会答弁など聴いていると、やたらこの「いただく言葉」が多いことに気付くが、元は、この動詞の多数派がそうさせているというから、困ったものである。写真はネットから拝借しました。

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