「文芸春秋」誌の「日本語探検」が面白い。
新年号は、敬語についてである。
敬語の基礎は、動詞の尊敬形と謙譲形を使い分けることにあるという。
つまり、「尋ねる」という動詞は、「お尋ねになる」と「お尋ねする」が一対となって構成される。
しかし、例えば、「書く」という動詞は、「お書きになる」とは言えるが、「お書きする」とは言わない。
この場合、「書かせていただく」という便法をとることになる。
このように、謙譲形を持たない動詞が意外と多く、例えば、帰る、使う、参加する、変更する、など、この形が多数派を形成する。
そこで登場するのが、「いただく」言葉で、「帰らせていただく」や「使わせていただく」となる。
政府の国会答弁など聴いていると、やたらこの「いただく言葉」が多いことに気付くが、元は、この動詞の多数派がそうさせているというから、困ったものである。写真はネットから拝借しました。