アーバンライフの愉しみ

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「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」

2014年07月11日 | ドラミング
著名な作詞家で作家の「なかにし礼」氏が、先の集団的自衛権容認の閣議決定を受け、掲題の詩を作ったという。

同氏は、「日本がこんな国になってしまって悲しくて仕方ない。特定秘密保護法を先につくって、次は集団的自衛権。『戦争だから』と自由に発言できない時代はすぐそこです」と述べている。

1938年、中国東北部・牡丹江市のお生まれ。終戦直後の混乱期、生死をかけた逃避行の末、帰還されたご経験をもつ。

数々のヒット歌謡に加え、99年には「長崎ぶらぶら節」で直木賞も受賞されている。以下の詩文は、毎日新聞からの転載です。

「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」 なかにし・れい

 2014年7月1日火曜日

 集団的自衛権が閣議決定された

 この日 日本の誇るべき

 たった一つの宝物

 平和憲法は粉砕された

 つまり君たち若者もまた

 圧殺されたのである

 こんな憲法違反にたいして

 最高裁はなんの文句も言わない

 かくして君たちの日本は

 その長い歴史の中の

 どんな時代よりも禍々(まがまが)しい

 暗黒時代へともどっていく

 そしてまたあの

 醜悪と愚劣 残酷と恐怖の

 戦争が始まるだろう

 ああ、若き友たちよ!

 巨大な歯車がひとたびぐらっと

 回りはじめたら最後

 君もその中に巻き込まれる

 いやがおうでも巻き込まれる

 しかし君に戦う理由などあるのか

 国のため? 大義のため?

 そんなもののために

 君は銃で人を狙えるのか

 君は銃剣で人を刺せるのか

 君は人々の上に爆弾を落とせるのか

 若き友たちよ!

 君は戦場に行ってはならない

 なぜなら君は戦争にむいてないからだ

 世界史上類例のない

 69年間も平和がつづいた

 理想の国に生まれたんだもの

 平和しか知らないんだ

 平和の申し子なんだ

 平和こそが君の故郷であり

 生活であり存在理由なんだ

 平和ぼけ? なんとでも言わしておけ

 戦争なんか真っ平ごめんだ

 人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない

 たとえ国家といえども

 俺の人生にかまわないでくれ

 俺は臆病なんだ

 俺は弱虫なんだ

 卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない

 しかし俺は平和が好きなんだ

 それのどこが悪い?

 弱くあることも

 勇気のいることなんだぜ

 そう言って胸をはれば

 なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか

 怖(おそ)れるものはなにもない

 愛する平和の申し子たちよ

 この世に生まれ出た時

 君は命の歓喜の産声をあげた

 君の命よりも大切なものはない

 生き抜かなければならない

 死んではならない

 が 殺してもいけない

 だから今こそ!

 もっともか弱きものとして

 産声をあげる赤児のように

 泣きながら抵抗を始めよう

 泣きながら抵抗をしつづけるのだ

 泣くことを一生やめてはならない

 平和のために!

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コメント (12)    この記事についてブログを書く
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12 コメント

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ブルーはーとさん (エゾフクロウ)
2014-07-17 10:23:34
ご来訪並びに、コメントありがとうございます。

まったくご指摘の通りで、近隣外交に力をつくすこと
なく、安保環境の変化もないものです。

元々、近年の中国との関係悪化は、元石原都知事に
よる尖閣の購入騒動に端を発しており、それが野田
政権による無批判的実行によるものです。

尖閣列島の場合、歴史的にも国際法上も日本の領土
であることは間違いないのですが、少なくとも中国
には、別の見解がある以上、これをまったく無視して
何をしてもよいということにはなりません。

現状のまま据え置くという先人たちの知恵を踏襲
してもよかったのです。

それを自らの主義心情のためにこそ、靖国参拝を
強行して中韓との軋轢を発生させ、それをテコに安保
法制を捻じ曲げるなどあってはならない蛮行です。

私たち一人ひとりの力は小さくとも、この点をしっかり
自覚することがとても重要だと思います。
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国会答弁 (ブルーはーと )
2014-07-16 22:41:44
初めまして。4年間の中国での日本語教師の仕事を終え、2週間前に帰国しました。そして、昨日の国会答弁をラジオで聞きました。
たいへんな日本になったものだと感じました。
「近年の周辺諸国との緊張状態を鑑み、万一の備えをするために集団的自衛権を構築する」というのが詭弁であるのは、多くの国民が見抜いていると思います。
特に私が腹立たしく思うのは、
万一の備えを考える前に、安倍政権はまともな国際外交を近隣諸国との間で展開した試しがないということです。少なくとも中国との関係において、尖閣「棚上げ」を覆して以降の日本政府は、中国を刺激し、こぶしを振り上げさせることに腐心してきたとしか言いようがありません。
喧嘩両成敗という言葉がありますが、これは原因を度外視した理不尽な言い方です。どんな喧嘩にも原因があり、それを出発点にして、話し合い、問題を整理し、国民の心を平らにして未来を切り開くのが政治家の仕事です。
歴史を度外視して、一般的に「緊張感が高まってきたので」などと言うことは政治家として無責任極まる発言です。
尖閣諸島の東京都による買い上げ→国有化に至る過程を中国から見ていると、石原慎太郎は「ピンポンダッシュ野郎」、野田は「底なしの無神経野郎」としか映りませんでした。中国には日本語を学ぶたくさんの学生がいますが、あのとき、その学生たちの身も危険に晒されました。声も出せず、落ち込んでいた彼女ら、彼らの姿が今も脳裏に焼き付いています。
安倍晋三はそうした日本国内の内向きの雰囲気を礎に、支持者を増やしましたが、それも、現行選挙制度の不備の御蔭があってのこと。
ここまで「この世をばわが世とぞ思う」と言わせ続けているのは、日本人として、責任を感ぜずにはいられません。
選挙はあと何年も後。こうなると、仕事のようにして抗議行動に出かけるしかないか、と暑い夏に向かう関西の地で思うことしきりです。
(ちなみに、私は生まれて18歳まで知床近辺に住んでいました。貴ブログを拝読し、故郷の澄んだ空気をいつも想います。)


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Gさんへ (エゾフクロウ)
2014-07-14 17:39:02
コメントありがとうございます。

結局、そういうことですよね。
原発再稼働もそうですが、それを主張する人は、
一度でもいいから、福島県の大熊町や浪江町に
住んでみたらよいと思うのです。

こうした為政者の子息は、いざとなったら、あれこれの
抜け道を使って逃げ回るに相違ありません。
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政治のレベルは国民のレベル (G)
2014-07-14 16:38:56
仮に戦争になったら、もし戦争になったら・・・
政権を担っている為政者達は自分の子供、孫を真っ先に戦場に送り込んでくれるでしょうか。
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性善説あるいは性悪説? ()
2014-07-11 21:51:45
もしくは被害妄想、そして分かりやすいのが「北風と太陽」にヒントがあると思います。
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空さんへ (エゾフクロウ)
2014-07-11 18:32:33
もともと作詞家ですからね。

ご自身の体験がベースになっていると思います。
こうした政治課題を詩にするのは、極めて難しいと
思うのですが、次代を担う若者へのメッセージとしている
のがとても良いと思います。
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Unknown君へ (エゾフクロウ)
2014-07-11 18:18:55
他人の記事にコメントするなら、名前くらい名乗って
からにしたらどうですか。

名前も名乗らず、主題も明示しないまま、陰から
コソコソと悪罵だけ投げつけるのは止めてもらいたい。

「あなたの大切な家族が、子供が、親せきが、友達が襲われてる時、その時にもあなたは何もしないでいられるのか。」とこんな陳腐な命題を立てて反論する
などナンセンス。

この詩のテーマは、自国が攻撃されてもいないのに、
他国の戦争に出張って行かなければならなくなる
若者の心情を思ってのことだ。
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Unknown (Unknown)
2014-07-11 18:00:40
戦わない権利はだれにでもある。
弱虫でもなんでもない。
しかし、あなたの大切な家族が、子供が、親せきが、友達が襲われてる時、その時にもあなたは何もしないでいられるのか。
そういう問題だ。
それでも見殺しにできるというならそれでいいけど。
そういう時に抵抗できる権利が個別的自衛権。
つまりもともと「戦える民族」だってこと。
いくら自分は戦わないなんて言ってても自分の身に降りかかれば抵抗する。
それと集団的自衛権は違うんだからごっちゃにするなって話。
戦うか戦わないかの話じゃない。
そういう問題ならもうクリアしてる。
自分のために戦うか、他人のために戦うかの話。
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Unknown (Unknown)
2014-07-11 17:46:22
個別的自衛権とは
「日本を攻撃してくる人間は殺してもいい」ってこと。
それはあなたたち左翼も認めてるわけですよ。
まさか日本を襲ってきた相手に対して「話し合いを」なんてのんきなこと言わないでしょ?
つまりもともと日本の若者は人を殺せる民族なんです。
それも気づかず、集団的自衛権だけ取り上げて
「若者よ、殺すな」なんて・・問題がわかってないバカの典型です。
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良い詩ですよねぇ(*^_^*) ()
2014-07-11 16:37:28
我々のどうしようもない思いを代弁しているようで、少し気が晴れました!
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じゅんさん (エゾフクロウ)
2014-07-11 07:52:45
おはようございます。
今日は暑くなりそうですね。

作家の新田次郎・藤原てい氏ご夫妻をはじめ、
かって満州や朝鮮にお住まいで活躍されている方が
多いですね。

その苦難の生い立ちを思えば、平和のありがたさを
何にも増してお感じになっておられるからでしょう。

こうした思いを大切する政治であって欲しいと思って
います。
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とても良い詩ですね! (じゅん)
2014-07-11 06:07:16
 日本中のほとんどの人達が反対しているのに(少なくとも6割以上)、どうして戦争に向かって事が進んで行くのでしょう?とても悲しくなります。日本の憲法第3条を誇りにしていきたいのに・・・・・もっと世界平和のために税金を使って欲しいですね。
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