ご紹介するのは、2015年度レコードアカデミー賞「室内楽曲部門」でグランプリを獲得したベートーヴェンのヴァイオリンソナタ集です。
こんなに、美しくやさしさに満ちたベートーヴェンを聴くのは初めてです。
楽聖の人類遺産的な「春」や「クロイツェル」に対峙する時、どうしても肩に力が入り固い音になりがちなのですが、このドーナツの演奏家たち、特にヴァイオリンのカピュソンはリラックスしていて、柔らかく澄み渡った美しい音を聴かせてくれます。
ルノー・カピュソンは、現代フランスのヴァイオリニスト(40歳)。名実ともにトップアーティストとして世界的に活躍しています。楽器は1737年製のグァルネリ「パネット」。アイザック・スターンの愛器でした。
共演は、これもフランスの若手ピアニスト、フランク・ブラレイ。91年のエリザベート王妃国際コンクールで優勝するなど、試された技量の持ち主です。ご一聴をお勧めします。
Desk No. WPCS13046-8
蛇足:「レコードアカデミー賞」
この賞は、音楽の友社が発行する「レコード芸術」誌が主催して毎年行われていて、今回で53回目だそうですから歴史あるイベントと言えます。
対象は、その年に国内で販売されたクラシックレコードの中から演奏・録音ともにすぐれたレコードで、交響曲、協奏曲など15部門毎にグランプリを選定し、また、全体を通して、大賞、銀賞、銅賞なども決定するようです。