同氏の作家生活30周年を記念して出版された長編歴史小説。「小説新潮」2018年7月~2019年10月号連載、413頁の大作。
物語~大宝元年(西暦701年)、第8次の遣唐執節使に任命された栗田真人(くりたのまひと)は、団員420人と共に平底のジャンク船(全長30米、幅7.5米)4艘に分乗して南航路をたどり大陸に渡った。
目的は、朝鮮を巡る争いで断絶した唐との国交を回復し、皇帝から(日本の天皇宛の)親書を得ることであったが、唐は、則天武后による苛烈な統治下にあり、拝謁もままならない・・・。
参考文献など明記されていないのでよくわからないが、則天武后の長女とラブラブになったり、内部抗争の調停に乗り出したりと、常識では考えにくい出来事のオンパレードとなっている。つまり、硬派な「龍太郎ファンタジー」に仕上がっているのだが、これを良しとするか否か意見は分かれよう。