コロナ禍対策で、市の図書館が長期間閉館となっている。
日頃、読書ホーリックに陥っている小生らにとってこんな殺生なことはない。
先日、これに業を煮やした家内が、本屋さんから数冊の文庫本を購入して来たのだが、これはその中の1冊。
実は、6年ほど前に一度読んでいるのだが、再読してみるとこれがとても面白い。
たぶん、前回気付かずに済ましたものを、今回はしっかり把握しながら読めたからかも知れない。
それが何だったのかよく認識できていないのだが、兎に角、再度面白く読んだ。
巻末の解説で大矢博子さんは、
「江戸初期、まだ小説という言葉すらなかった時代。西鶴が描いた庶民の物語は浮世草子と呼ばれ、一大ブームを巻き起こした。物語が庶民のものとなった時代。井原西鶴は、日本初のエンタメ作家となった。
西鶴が作り上げた大衆小説というジャンルは、こうして今に息づいている。百人の読者がいれば、百人の西鶴と「おあい」が居て、読者は彼らに自分を重ね羽ばたかせる。これが小説の面白さだと・・・朝井まかては言っている」
と述べているのだが、あるいはそれに気付いたせいなのかも知れない。