しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <大家族>

2022-01-28 | エペソ

「こういうわけで、私は膝をかがめて、天と地にあるすべての家族の、『家族』という呼び名の元である御父の前に祈ります。」(エペソ3:14,15新改訳)

パウロは神の前に膝まずき、エペソ教会のために祈るが、15節冒頭のことばがすばらしい。すなわち我らの神は御父(パテラ)という名であり、その名から天地宇宙に存在する全ての家族(パトリア)が出たのだ。では、神をなぜ御父とお呼びするのか。それは神が全天地の被造物をふくめた大家族の長だからである。▼家には一家の主人がおり、妻、子、使用人、家畜などさまざまな身分の者がいる。ほかにも建物、敷地などあらゆる設備がある。地上で人間が作っている家族は、天にある永遠の家族の模型であり、影である。やがて朽ちない復活世界が出現すると、すべての被造物はこの天の家族に合一され、もじどおり一つになるであろう。▼奥義として開かれた「異邦人の救い」は、この偉大なる神の御計画に含まれ、時至って実現し始めたもので、私パウロはそれを恵みの務めとして委ねられた。こうして彼の眼前にくり広げられた壮大無比な御計画が、讃嘆と驚嘆の中でエペソ書という手紙になっていく。牢獄の一囚人、鎖につながれ、一歩も外へ出られないようにされた老人、その彼の心にくり広げられた永遠の世界と神愛の高さ、深さ、長さ、広さに、読む者は息も止まるばかりである。いったい人は何をもって「幸福」というのか。今や、使徒の祈りの前に「人間が考えつくいかなる幸福」も色あせ、残渣となる。▼巨万の富と贅のかぎりをつくす生涯を夢見る者よ、恥を知れ。人知をはるかに超えたキリストの愛を知らせてくださいと祈りの姿勢をとるべし。