しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <バビロンの滅亡>

2023-01-02 | エレミヤ書
「バビロンが捕らえられる音で地は震え、その叫びは国々の間にも聞こえる。」(エレミヤ50:46新改訳)
神によって万国の預言者として定められたエレミヤ、彼は数十年の預言活動の最後にバビロン帝国の崩壊と滅亡を預言した。▼そもそも、エレミヤはユダ国民に「バビロンに降伏しなさい、それが神の思し召しである」と言い続けたため、苦難にあった。同胞から裏切り者として憎まれたからである。だが彼は最後にバビロンの滅亡を預言した。エレミヤ書の最後、50、51章はバビロン滅亡を描いた壮大な叙事詩である。エレミヤは言う、神は決してバビロンを許しておられたわけではない。ユダ王国のあまりの堕落と罪を罰するため、その手段としてバビロン侵略を一時的に許しただけであって、その罪深さは時が来ればかならず裁かれるということなのである。▼バビロンの罪は二つある。一つはまことの神であられる「イスラエルの聖なる方」に向かって高ぶったこと。もう一つは世界で唯一の礼拝場所と定められたエルサレムの神の宮を徹底的に破壊したことである。世界の歴史において、ここまで大きな罪を犯した民族はなかった。エレミヤは預言する、バビロンよ!エルサレムを徹底的に滅ぼしたように、今度はお前が徹底的にほろぼされ、もはや永久に復興することにない荒れ果てた無人の地になってしまうであろう、と。▼こうしてバビロンは預言のとおり、メディア・ペルシャ連合軍に倒され、焼き尽くされ、21世紀の今日も人が近づかない無人の廃墟の丘となった。もし誰かがイラクに旅行し、バビロンがあったといわれる荒涼とした丘に立って、エレミヤ書を開くなら、二千年の時を超えて、エレミヤの声が響いてくるであろう。▼人は万物と人間の歴史を支配し、その高ぶりの罪を裁かれる全能の神の前にひれ伏さなければならない。いわんや、この神がひとり子を世に遣わし、これをなだめのそなえものとなして十字架につけ、私たちの罪と反逆の一切をゆるし、救いの道を設けられたうえ、今しばらくの猶予を与え、私たちが悔い改めることを待っておられることを知らされた現在においておや。▼人間は性懲りもなく、この世の終わりに至って、もう一度バビロンを再建すると黙示録は予告する。それは人類史上、最高最大の都、空前絶後の繁栄と奢侈贅沢をきわめた大都市である。そして天に住まいされれる永遠者に向かって豪語する。「どうだ、私たちの力と叡智を見たか、神と等しいわれらを見よ、」と。エレミヤが語ったバビロン滅亡の宣言がほんとうに成就するのはそのときである。じつにそのとき、イエス・キリストは栄光のうちに天から来臨されるであろう。