しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <不正でエルサレムを>

2023-06-27 | ミカ書
「これを聞け、ヤコブの家のかしらたち、イスラエルの家の首領たち。あなたがたは公正を忌み嫌い、あらゆる正しいことを曲げている。流血でシオンを、不正でエルサレムを建てている。」(ミカ3:9,10新改訳)

イザヤとミカはほぼ同時代の預言者だが、当時のユダ、イスラエル両王国がいかに荒れすさんでいたかをミカは告発する。▼もちろんヒゼキヤ王のような善王も出たが、大部分は悪王であり、それに追随(ついずい)する指導者や預言者も本章のように腐敗(ふはい)をきわめ、悪のかぎりをつくしていた。神の都エルサレムでさえ、罪のない人々の殺された血が満ちるほどであった。アハズ王やマナセ王といった人物は、これがダビデの子孫かと思うほど無慈悲(むじひ)、残虐(ざんぎゃく)、偶像礼拝に狂っていたのである。だからミカは言う、「それゆえ、あなたがたのゆえにシオンは畑のように耕され、エルサレムは瓦礫(がれき)の山となり、神殿の山は木々におおわれた丘となる」(12)と。▼はたせるかな、それから数十年後、バビロン軍のためにエルサレムは瓦礫(がれき)の山となった。21世紀の今もエルサレムに神殿はない。しかし真のエルサレム神殿であられるイエス・キリストは、聖霊によって世界中のキリスト者たちの内にとどまっておられる。十字架に流されたこひつじの血潮は、信仰者たちの心をきよめ、流血や不正の悪を追い払い、神の都エルサレムを創出した。この都こそ、キリストのご来臨により、永遠の神の国と新しい天のエルサレムにつながっていくのである。「私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとから、天から降って来るのを見た。」(黙示録21:2同)