お、伊勢丹か。ネクタイ売場行かなくちゃ。
どうして?
ネクタイ買うんだ。
だから、どうして?
ネクタイクラブ、つくるんだよ。
ネクタイクラブ?
そう、心に傷を負った人の事件現場にネクタイを巻くんだよ。巻きます、効きます、人によります、ってな。
それって「包帯クラブ」そのまんまじゃん。
いやいや、「包帯クラブ」は若者たちのクラブだろ。「ネクタイクラブ」はおとなたちのクラブだ。傷はもっと深く、つらいぞ。
でも、若者たちだから、あんなことしても許されるんで、いいおとなが同じことをやったら、バカじゃないの、って思われるだけよ。
だからって、何もしなくちゃ世界は変わらないぞ、って映画の中でも言ってるだろ。
青い、青い。まだまだ頭の中が青いわねえ。
そういうわけ知り顔のおとなが若者たちの芽を摘むんだ。
まあ、そう言いたくなる気持ちもわからないことはないけどね。他人のために包帯を巻いて、傷をいやしてあげているつもりが、自分の傷がいやされていたんだって気づく、とってもナイーブな映画だもんね。
一歩間違えると、往年の「白線流し」みたいな、テレビの連続ドラマになりそうなほどわかりやすい話なんだけど、さすがに映像派の堤幸彦だけに、スローモーションやカット飛ばしやいろいろな手法を微妙に使って、原作のエッセンスを生かしながら映画ならではの空気感を作り出している。そして、画面に寄り添う音楽の透明感が、またすばらしい。さすがだな。
石原さとみの素直さも柳楽優弥の弾け具合も、ちょうどいいしね。
屋上を走り続ける柳楽優弥を延々と追うヘリコプターショット。あれがこの映画の白眉だな。「コイヤー、コイヤー」っていう掛け声は、いつまでも耳に残るぜ。
北関東の高崎って町に場所を設定しているのもいいわよね。
高校生が生きる世界っていうのは、せいぜいあのくらいの行動半径のところだもんな。実に狭いところで、世界は変えられるか、なんて悩んでいる。若いっていうのは、そういうことなんだよな。
ところが、この映画はそれでは終わらない。ラスト、いきなり広い世界に話が飛ぶんだけど、原作を読まないで映画だけ見た人にあのラストシーンの意味がわかるのかしら。
わかるかどうか、わからないけど、高校生たちの狭い世界の物語が、実は広い世界につながっているという、巧妙にして絶妙なラストシーンだ。あそこで一気に映画が大きくなる。
人の痛みをわかるとは世界の痛みをわかることなんだ、世界はそうして変えて行くしかない、っていうメッセージよね。
だから、高校生にばかりまかせておかないで、俺たちおとなもつくらなくちゃいけないんだよ、ネクタイクラブ。
でも、あなたの傷って、上司にどなられたとか、派遣社員に無視されたとか、そんなのばかりでしょ。話が小さくない?
それより、よく考えると、包帯に比べてネクタイって高いよなあ。なんか、もったいないよなあ。やっぱりやめるか・・・。
あーあ、いきなり、みみっちい世界の話になっちゃったわね。
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新宿伊勢丹前バス停
ふたりが乗ったのは、都バス<池86系統>
東池袋四丁目⇒東池袋一丁目⇒池袋駅東口⇒南池袋三丁目⇒東京音楽大学前⇒千登世橋⇒学習院下⇒高田馬場二丁目⇒学習院女子大前⇒都立障害者センター前⇒新宿コズミックセンター前⇒大久保通り⇒東新宿駅前⇒日清食品前⇒新宿伊勢丹前⇒新宿四丁目⇒千駄ヶ谷五丁目⇒北参道⇒千駄ヶ谷小学校前⇒神宮前一丁目⇒表参道⇒神宮前六丁目⇒宮下公園⇒渋谷駅西口⇒渋谷駅東口
柳楽クンはめちゃめちゃよかったし、
石原さとみちゃんも思ったよりずっとよかったです。
ラストシーン、原作読んでないとたしかに
唐突に思えるかもしれませんね。
原作読んでた者としては、原作者の意図を組んだ
素敵なシーンだと思いましたが。
高崎のあの高いビルはほんとは何のビルなんでしょうね。ちょっと行ってみたくなりました。
ラストシーンはちょっと付けたしみたいな撮り方でしたが、見逃すには惜しく、映画は最後まで席を立っちゃいけないってことですね。
高崎は映画祭もある街ですので、フィルムコミッションの活動も活発なようですね。
あの高層ビルにたなびく包帯のシーンは圧巻でした。
そういえば、高崎映画祭ってありますね。地元の協力があってあれだけすばらしいロケ地を確保できたんでしょうね。
母にもほしいな。巻くもの思いつかないけど(笑)
現実は人の痛みに触らないことが優しさなんて
大義名分ふりかざして何もしない事ばかり。
どうすりゃいいのかわからないし~なんてのも
いいわけですね~。
母ならやっぱり、抱っこひもクラブでしょう。でも、絵になるかな?
原作そんなにいいですか?
では一度読んでみますね。
久し振りに青春を謳歌した気分ですね。
原作もおすすめです。
映画を観たあとであれば、配役を思い浮かべながら読んでもおもしろいかもしれません。わかりやすいのですぐ読めますよ。
http://www.e-gunma.lg.jp/portal/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=3594
http://www.takasaki-film.jp/extra_no46.html
高崎駅を包帯で巻くイベントなんていうのもあるんでしょうか。