Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

アンリ・ルソー展

2011年01月05日 | 身辺雑記
 年末年始はいかがおすごしでしたか。私は年末には箱根の山に登り、温泉で一泊するのが、この数年の恒例になっています。今回は金時山へ。童謡の「金太郎」で有名な山です。

 まさかりかついで きんたろう
 くまにまたがり おうまのけいこ
 ハイシィドウドウ ハイドウドウ
 ハイシィドウドウ ハイドウドウ

 山頂には金時娘の山小屋があります。居合わせた登山客の話によると、もう77歳だそうです。まだまだお元気。当日は厨房に入っていました。私は味噌汁をいただきました。その美味しかったこと! 大きなお椀に具が山盛りでした。

 下山後、いつもの宿で一泊。温泉に入って、夕食にはワインを一本。部屋に戻ってビールを飲んでいたら、すぐに眠くなってしまいました。翌朝目が覚めたら、ビールはほとんど手つかずでした。

 朝食後、ポーラ美術館の「アンリ・ルソー展」へ。同館所蔵の作品を中心に16点が集められていました。個々の作品は小粒のものが多く、目玉がない感じ。そのなかでは「夕暮れの眺め、ポワン・デュ・ジュール」が注目されました。88.7×116.0という比較的大きな画面にパリの外れの風景が描かれています。家、橋、人物などが点在していて、とりとめのない印象。それらの形象の大小がちぐはぐなのがルソー的です。1886年の作なので最初期のもの。独特のアンバランス感は最初からあったようです。

 ルソーが作曲した楽譜が展示されていました。作曲もしていたとは! そして出版も! ヴァイオリン独奏のワルツ「クレマンス」。クレマンスとは1888年に亡くなった妻の名前です。故人を追悼する曲。演奏時間は5分あまり。ヘッドフォンで聴けるようになっていました。甘いワルツで、ちょっとサティ風。本展用に録音された素直な演奏でした。ルソーはもっと崩して演奏していたのでは……。

 解説パネルによると、ルソーは若いころに「わずかの」お金を盗んだことがあったそうです。そういえば晩年にはある詐欺事件に関連して逮捕されたことがあります。やはり一風変わった人だったのでしょう。

 帰宅後、夜はマゼール指揮のベートーヴェンの交響曲全曲演奏のインターネット中継。ちょうど8番が始まるところでした。演奏もさることながら、刻々と入ってくるツイッターのコメントが面白くて、そのまま7番、9番も聴いてしまいました。終わったらもう12時近く。最近はまっている黒糖焼酎を飲んで年を越しました。
(2010.12.31.ポーラ美術館)

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